TOEICパート5は全文読むべき?部分読みでOK?
TOEICのパート5は全文を頭から読んで解くか?それとも空所の前後を中心とした部分読みで解くべきか?
問題文全文を読んで意味を理解しながら解くべきいう意見がある一方で空所前後を中心に読んで解くべきだというアドバイスがあります。
果たしてどちらの方法で解くのがよいでしょうか。この結論はTOEIC学習者の実力や置かれている状況によると考えます。
リーディングセクション100問を75分で解き終えるか?
全文読みか部分読み中心かはリーディングセクションを解くスピードで決めるのがいいでしょう。
PART5から6、7までを75分の制限時間内に解き切る読解スピードがあれば、全文を読んで解いても構わないでしょう。
一方で、パート7で塗り絵が10問、20問、あるいはそれ以上出てくるのであれば、パート5で時間短縮してパート7に時間を残すために部分読み中心の解き方をとるべきでしょう。パート7に時間を残して正解数を1問でも増やすことに注力すべきというのが私の考えです。
就職、転職、昇格などで一刻も早くスコアを上げたいのであれば、自分にとって効率的な解法アプローチを取り入れるのが賢明ではないでしょうか。
空所前後を中心に読むことで実現できる時間短縮
ある設問で空所の前後だけを見て10秒以内に正解を選んだケースと文頭からしっかり意味を理解して60秒かけて正解を選んだケースでは同じ正解としてカウントされます。全文を読んで余計にかかった50秒は確実に後半のパートの解答時間を減らします。
例えば、設問中の空所が問題文の終わりに位置していて、空所までの間で知らない単語がいくつかあると、途中で止まって考え込まないでしょうか。知らない単語が正解を見つけるために全く関係がない場合、その個所を読んで理解する必要はあるでしょうか。
このケースを次のような品詞問題で考えてみましょう。
【例題】
***** ***** (知らない単語) ***** ***** (知らない単語) ***** (知らない単語) ***** ***** ***** ***** ***** to meet our ______.
( A ) satisfactory
( B ) satisfaction
( C ) satisfy
( D ) satisfied
文頭から読んで知らない単語が3つほど、ところどころに出てくると読んで理解するのに時間がかかります。この時間がロスになります。この問題を速く解くためには、to以下を見るだけです。動詞meetの後の所有格ourに続く名詞の( B ) satisfactionを選べばいいということがわかります。toから前に何が書かれていようと正解は選べます。
頭から全文を読んでも時間をロスしないという意見がありますが、それは語彙力のある人向けのアドバイスだと思います。語彙力が不足している人は未知の単語に出くわすと途中で考え込んでしまいがちです。「考え込み」=「時間のロス」につながりますのでこのようなアドバイスには注意が必要です。
パート5の問題文全体の意味をとることが目的ではない
TOEICのリーディングPART5では、30問の問題文の意味を正しく捉えることは求められていません。文法的に、また語彙的に適切な選択肢を見つけることが試されています。必要な個所を読んで正しい選択肢を選べばいいわけです。
確かに全文を読んで理解することが必要な問題はあります。しかし、そのような問題は半分以下です。空所の前後など部分的な個所をヒントにして答えられる問題が30問中15問以上あるというのがこれまでの公開試験受験や過去問(韓国で出版されているもの)、公式問題集から導かれた分析結果です。(※私の個人的な分析結果ですが。)
前後だけ読んで解くには高い文法力が必要か?
「空所前後の部分を中心に読んで果たして正解が見つかるのか?」、あるいは「部分読みだけではミスが増えるのではないか?」と心配されているかもしれません。
部分読みは上級者向けで、初級・中級者だとミスが増えるからやめなさいというアドバイスをみたことがありますが果たして正しいでしょうか。
パート5では、基本的な品詞の働きを問う問題が毎回出題されます。
例えば、
【冠詞】+【形容詞】+【名詞】
のパターンさえ活用できれば解ける問題がよく出ます。こうした問題は前後を見ればほとんどの場合解けます。
TOEICの文法に関しては、中学レベルの文法知識で大部分がカバーされます。要は基本文法知識を活用できれば解ける問題が多く含まれているのです。
動詞に三人称単数現在(※三単現のSです)のSがついていないので、主語は複数名詞を選ぶとか、動詞に三人称単数現在のSがついているから主語は単数名詞とか中学1年レベルの問題も入っています。
高校レベルの文法知識を要する問題、分詞構文、仮定法などに関連する問題も出題されることがあります。ただし、こうしたレベルの高い文法項目は出題されてもそれぞれ1問ぐらいです。
基本的な文法知識が活用できれば部分を中心に見て答えられる問題が多くあるのがTOEICパート5の 現実なのです。
語彙問題も前後に大きなヒントがある!
4つの品詞が同じ(名詞、形容詞、副詞、動詞など)の語彙問題でも空所の前後にヒントが隠されています。
適切な副詞を選ぶ語彙問題で、空所が修飾する動詞の前にある場合、真っ先に確認すべきは修飾する動詞との相性です。
次のような問題で考えてみましょう。
【例題】
Although ***** ***** ***** *****, ***** ***** ***** —– begin ***** ***** *****.
( A ) considerably(かなり)
( B ) closely(密接に)
( C ) immediately(すぐに)
( D ) extremely(きわめて)
動詞 begin(始まる)と合う副詞は( C ) immediately(すぐに)です。( 「すぐに始まる」 immediately begin)
この例題を解く時、前半のAlthoughから始まる節の部分を理解する必要ではありません。直後の動詞を修飾する副詞の語彙問題であることに気づけば、この動詞との相性、自然なつながり(コロケーション)に着目して解くだけです。
他の語彙問題のパターンには、動詞の目的語である名詞を選ぶ問題(動詞と目的語との相性)、目的語の名詞があって動詞を選ぶ問題(同じく動詞と目的語との相性)、形容詞を修飾する直前の副詞を選ぶ問題などがあります。こうした語彙問題においても動詞・目的語の関係や修飾関係に着目すべきです。
語彙問題で最初に確認すべきポイントがわかると、正確に速く問題を解くことができるようになります。したがって「語彙問題はすべての設問で頭から意味を取りながら解きなさい」というアドバイスには賛成しかねます。全文を読むことが必要な場合だけ全文を読み、部分読みで解ける問題は該当箇所を読んで時間を節約すべきと考えます。
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