転職エージェント・求人サイトが見るTOEICスコアの目安とは?未経験でも通用するボーダーライン

TOEICのスコアを転職活動でどう活かせるのか、気になっている方は多いのではないでしょうか。

「700点あれば転職に有利なのか」「未経験の業界でもTOEICスコアは評価されるのか」「英検準1級を持っていればTOEICは必要ないのか」「そもそも履歴書にスコアを書くべきなのか」など、英語資格と転職の関係は意外とわかりにくいものです。

当スクールではこれまで、TOEIC600点、730点、800点以上など、それぞれの目標スコアを目指す多くの受講生のTOEIC対策をサポートしてきました。

実際に指導していると、「転職のために600点を取りたい」「社内で730点が必要」「将来のキャリアアップのために800点を目指したい」といった相談も少なくありません。

TOEICは、企業が応募者の英語力を客観的に把握するための指標のひとつとして広く利用されています。ただし、その評価方法は業界や職種によって大きく異なります。

「TOEICの点数が高ければ、それだけで転職に有利になる」という単純なものではありません。

この記事では、転職活動においてTOEICスコアがどのように評価されるのかを、スコア帯別・業界別に整理します。

さらに、履歴書には何点から書くべきか、転職エージェントや採用担当者はどこを見るのか、英検とTOEICの使われ方の違い、目標スコアに届いていない場合の対策についても解説します。

なぜ企業はTOEICスコアを見るのか

企業がTOEICスコアを見る大きな理由のひとつは、応募者の英語力を客観的な数字で把握しやすいからです。

「英語が得意です」と自己申告するだけでは、実際にどの程度の英語力があるのか判断しにくいものです。一方、TOEIC600点、730点、800点のようにスコアが示されていれば、企業側も英語力のおおよその目安をつけやすくなります。

また、目標スコアを取得するまで継続して学習した経験を、学習意欲や自己管理力のアピールにつなげることもできます。

ただし、中途採用ではTOEICだけで評価が決まるわけではありません。

これまでの実務経験

専門知識やスキル

英語を実際に使った経験

応募職種との適性

面接での評価

などと合わせて総合的に判断されます。そのため、TOEICは採用を決める唯一の基準ではなく、応募条件や英語力を示す材料のひとつと考えるのが適切です。

また、TOEIC Listening & Reading Testは、主にリスニングとリーディング能力を測定する試験です。TOEIC900点を取得していても、それだけで英語の商談やプレゼンテーションができることを証明するわけではありません。

そのため、英語を頻繁に使う職種ほど、TOEICスコアに加えて実際のスピーキング力や実務経験も重要になります。

転職ではTOEIC何点から評価される?

企業や職種によって基準は異なるため、「○点あれば必ず有利」と断定することはできません。ここでは、転職活動で考える際のおおよその目安をスコア帯別に見ていきます。

600点未満

600点未満の場合、英語を必須とする求人では応募条件に届かないケースがあります。

特に、海外営業、貿易関連、外資系企業、海外との連絡が多い事務職などでは、一定以上のTOEICスコアを求められる場合があります。

一方、英語をほとんど使わない職種であれば、TOEICスコアが選考に大きな影響を与えないこともあります。

そのため600点未満の場合は、無理にTOEICを最大のアピールポイントにするのではなく、実務経験、専門資格、PCスキル、営業実績、マネジメント経験など、自分の強みを優先して伝えることも重要です。

これから英語を活かした仕事を目指すのであれば、まずは600点をひとつの目標として勉強するのもよいでしょう。

600〜699点

600点台になると、転職活動でもTOEICスコアを英語力のひとつの目安として提示しやすくなります。

英語が必須ではない職種であれば、「基礎的な英語力がある」「継続して英語を学習している」というアピール材料になる可能性があります。

また、英文メールを読む、海外からの問い合わせに対応する、英文資料を確認するといった業務が一部に含まれる職種では、600点台でも応募できる求人があります。

ただし、英語を日常的に使用する職種を目指す場合には、さらに高いスコアを求められるケースが増えてきます。

700〜729点

700点前後になると、TOEICを応募条件や歓迎条件としている求人の選択肢が広がってきます。

そのため、「英語力も活かして転職したい」「応募できる求人の幅を広げたい」という場合は、700点前後をひとつの目標にするのも現実的です。

600点台から700点台に上がることで、履歴書や職務経歴書でもTOEICスコアをより積極的にアピールしやすくなります。

730〜859点

730点以上になると、英語を使用する職種でもアピール材料になりやすくなります。

例えば、海外営業、貿易事務、外資系企業、海外部門のあるメーカー、英文資料を扱う事務職などでは、応募条件や歓迎条件を満たせるケースが増えてきます。

ただし、730点以上あれば英語で何でも対応できるという意味ではありません。英語での会議や商談が必要な仕事では、実際の会話力、英語面接への対応力、英語を使用した職務経験なども評価されます。

730点以上は、一定の英語力があることを客観的に示しやすいスコア帯と考えるとよいでしょう。

860点以上

860点以上になると、TOEICではかなり高いスコア帯です。

グローバル部門、海外赴任候補、外資系企業、海外営業、国際的なプロジェクトなどでは、大きなアピール材料になる可能性があります。

900点以上になると、スコアそのもののインパクトも強くなります。一方で、スコアが高くなるほど「実際に仕事でどのように英語を使えるのか」まで確認されることがあります。

そのため800点台後半や900点以上を取得している場合は、スコアだけでなく、英語をどのような業務で活用できるのかを具体的に説明できるようにしておくことが重要です。

TOEICスコア別・転職市場での目安

ここまでをまとめると、おおよそ次のように考えられます。

TOEICスコア転職市場での考え方
600点未満英語必須求人では応募条件に届かない場合がある
600〜699点基礎的な英語力をアピールし始められる
700〜729点TOEICを条件とする求人の選択肢が広がり始める
730〜859点海外営業・貿易・外資系などでアピール材料になりやすい
860点以上高い英語力を示す材料になる。実務経験や会話力との組み合わせも重要

もちろん、これはあくまで目安です。例えば同じTOEIC730点でも、英語をほとんど使わない国内営業と、毎日海外とやり取りする海外営業では、スコアの意味が大きく異なります。応募する仕事でどの程度の英語力が求められているのかを確認することが最も重要です。

業界・職種によってTOEICの評価は変わる


同じTOEICスコアでも、業界や職種によって評価のされ方は変わります。代表的な例を見てみましょう。

商社・メーカーの海外営業

海外取引先とのやり取りが日常的に発生する海外営業では、TOEICスコアだけでなく、実務での英語使用経験も重視されます。

業務では、英文メール、オンライン会議、商談、プレゼンテーション、契約関連の書類確認などが発生する可能性があります。

そのため、TOEICスコア+実際に英語を使った経験の組み合わせが重要です。例えば、「TOEIC780点。前職では海外顧客との英文メールを3年間担当」のように説明できれば、スコアだけを記載するより説得力が増します。

IT・外資系企業

IT企業や外資系企業では、海外のメンバーと仕事をするケースがあります。企業によっては、社内資料が英語、会議が英語、海外チームとのチャットが英語、上司や同僚が外国人という環境もあります。

このような企業では、TOEICスコアだけではなく、実際のコミュニケーション能力が重視される場合があります。TOEIC800点以上でも英語での会議に対応できなければ十分とは限りません。

逆に、TOEICスコアがそれほど高くなくても、実務で英語を頻繁に使ってきた経験が高く評価されることもあります。

航空会社・客室乗務員(CA)

客室乗務員(CA)も、英語力が採用で評価されやすい代表的な職種です。

日系大手の航空会社では、客室乗務員の採用でTOEIC600点程度、または同程度の英語力を目安としてきた例があります。航空会社によって基準は異なり、500点程度を望ましい水準として示す例もあります。

一方、外資系航空会社では特定のTOEICスコアよりも、実際に英語で乗客や同僚とコミュニケーションできる能力が重視される傾向があります。そのためCAを目指す場合も、TOEICスコアに加えてスピーキング力を伸ばしておくことが重要です。

観光・ホテル業界

ホテルや観光業では、外国人旅行者への接客で英語を使う機会があります。そのため、TOEICスコアだけでなく、「実際に外国人のお客様とコミュニケーションできるか」が重要になります。

例えば、チェックイン対応、館内案内、電話対応、観光案内、クレーム対応などでは、リスニングやリーディングに加えてスピーキング力も必要です。

TOEICスコアが高い場合でも、接客経験や会話力と組み合わせてアピールすると、より効果的です。

事務・バックオフィス

一般事務やバックオフィスでは、英語が必須ではない求人も多くあります。

しかし、英文メール、海外拠点との連絡、輸出入関連の書類、英文資料の確認などを行う職場では、TOEICスコアが評価材料になる可能性があります。

応募者の経験やスキルが似ている場合には、TOEICスコアが他の候補者との差別化につながることもあります。

英検を持っていても転職ではTOEICを受けたほうがいい?

英検も英語力を示す代表的な資格です。特に英検2級や準1級は、大学入試で出願資格や得点換算などに活用されることがあります。

一方、一般企業の就職・転職では、TOEIC L&Rのスコアが英語力の指標として使われる場面が多く見られます。求人票でも、「TOEIC600点以上」「TOEIC700点以上」「TOEIC730点以上歓迎」のように、具体的なスコアが応募条件や歓迎条件として示されることがあります。

そのため、かなり単純化すると、大学受験では英検、一般企業の就職・転職ではTOEICが活用されやすいと考えるとわかりやすいでしょう。

もちろん、英検準1級や2級が転職で評価されないわけではありません。特に準1級は、リーディング・リスニングに加えてライティングやスピーキングも含むため、英語力を示す材料になります。

ただし、応募先が「TOEIC730点以上」など具体的なTOEICスコアを条件としている場合は、英検準1級を持っていても、その条件を自動的に満たすとは限りません。

そのため、英検2級・準1級をすでに取得していて、これから英語を活かした就職・転職を考えている人は、TOEICも受験しておくとよいでしょう。

転職エージェントや採用担当者がTOEICで見るポイント

スコアと取得年月

履歴書や職務経歴書には、「TOEIC Listening & Reading Test 785点(取得年月:20XX年○月)」のように、スコアと取得時期をセットで記載するとわかりやすくなります。

特に取得から長い期間が経過している場合には、企業側から現在の英語力について確認される可能性があります。応募企業が「直近○年以内」など独自の条件を設けている場合もあるため、募集要項を確認しましょう。

英語を使った実務経験

TOEICスコア以上に重要になることがあるのが、実際の英語使用経験です。

例えば、「TOEIC760点」だけよりも、「TOEIC760点。海外取引先との英文メール対応を3年間担当」のほうが、企業側は入社後の活躍をイメージしやすくなります。

英語を仕事で使用した経験がある場合は、使用頻度、使用場面、相手、具体的な業務内容まで説明すると効果的です。

スコアアップの過程

TOEICの学習経験そのものを自己PRに活かすこともできます。

例えば、「半年間、平日は毎日1時間学習を続け、TOEIC550点から730点までスコアを伸ばした」という経験であれば、継続力、目標管理、学習計画、自己改善などの話につなげることができます。

ただし、中途採用では基本的に職務経験が中心です。TOEIC学習を自己PRに使う場合も、応募する仕事にどう活かせるのかまで説明しましょう。

TOEICスコアが足りない場合はどうする?


直近でスコアアップを目指す

転職活動まである程度時間があるなら、TOEICを再受験してスコアアップを目指すのがわかりやすい方法です。

重要なのは、「問題集を最初から最後まで同じように勉強する」のではなく、自分の弱点に優先順位をつけることです。

例えば600点前後を目指す受験者で、Part 5の文法・語彙問題に多くの弱点があるのであれば、頻出項目から優先的に対策するのが効率的です。

Part 5では、品詞、動詞、前置詞、接続詞、代名詞、関係詞などが繰り返し出題されます。

一方、Part 7で大量に問題を残してしまう場合には、語彙力や読解速度を上げるトレーニングが必要です。

自分の現在の得点状況を確認し、伸ばしやすい分野から対策することが重要です。

職務経験でカバーする

TOEICスコアが求人の目安に届いていなくても、実務経験によって評価される場合があります。

例えば、「TOEIC680点ですが、前職では海外顧客との英文メールを月30件程度担当し、海外拠点とのオンライン会議にも参加していました」という経験があれば、単純なスコア以上に実践的な英語力を伝えることができます。

ただし、「TOEIC700点以上必須」など明確な応募条件になっている場合には、その条件を満たす必要があるケースもあるため注意しましょう。

TOEIC以外の資格や経験もアピールする

TOEIC L&Rだけでは、スピーキングやライティング能力を直接示すことはできません。

そのため、英検、TOEIC Speaking & Writing、TOEFL、IELTS、留学経験、海外勤務経験、英語での業務経験などがある場合は、併せて記載するとよいでしょう。

特に英検準1級やIELTSなどを持っている場合は、TOEICだけでは伝わりにくい英語力を補足する材料になります。

現在も勉強していることを伝える

目標スコアに少し届いていない場合には、現在も学習を継続していることを伝える方法もあります。

例えば、「現在TOEIC685点で、次回試験では730点を目標に学習しています」と説明すれば、英語力向上への意欲を示すことができます。

もちろん、これだけで必須条件を満たせるわけではありません。しかし、「TOEIC700点以上歓迎」など歓迎条件として設定されている場合には、現在の学習状況を伝えることもひとつの方法です。

転職目的ならまず何点を目標にするべき?

現在のスコアによって目標は変わりますが、転職目的でTOEICを勉強するのであれば、段階的に目標を設定するとよいでしょう。

現在500点前後 → まず600点
現在600点前後 → 700〜730点
現在700点台 → 800点以上

最初から900点を目指す必要はありません。

転職が目的なのであれば、最も重要なのは「応募したい求人に必要なスコアを取ること」です。

希望する求人の多くが「TOEIC700点以上歓迎」であれば、まず700〜730点を目標にするほうが、900点を目指して長期間勉強するより効率的です。

TOEICはゴールではなく、転職の選択肢を増やすための手段のひとつです。

TOEICスコアだけで転職先を決めないことも重要

TOEICのスコアを上げることで、応募できる求人が増える可能性があります。

しかし、「せっかくTOEIC800点を取ったから、絶対に英語を使う仕事に転職しなければならない」と考える必要はありません。

転職では、仕事内容、年収、勤務地、働き方、将来性、自分の経験、キャリアプランなども含めて総合的に考えることが重要です。

英語力は、キャリアの選択肢を広げるひとつの武器です。

TOEICスコアを上げること自体を目的にするのではなく、「その英語力を使ってどのような仕事をしたいのか」まで考えておくと、転職活動でもスコアをより効果的に活用できます。

まとめ:TOEICは転職の「通過点」。必要なスコアから逆算しよう

TOEICスコアは、転職活動において英語力を客観的に示すための指標として活用できます。

おおまかな目安として、600点台では基礎的な英語力のアピール材料になり、700点前後から英語力を条件とする求人の選択肢が広がりやすくなります。

730点以上になると海外営業・貿易・外資系などでもアピールしやすくなり、860点以上では高い英語力を示す材料になります。

また、英検2級や準1級も英語力を示す価値のある資格ですが、大学受験では英検、一般企業の就職・転職ではTOEICが活用される場面が多いという違いがあります。

航空会社のCAをはじめ、海外営業、貿易、外資系企業、ホテル・観光など、英語を使う可能性の高い職種ではTOEICが採用時の英語力の目安として使われる場合があります。

ただし、最も重要なのは「何点持っているか」だけではありません。そのスコアや英語力を、応募する仕事でどのように活かせるのかを説明できることが重要です。

転職のためにTOEICを勉強するのであれば、まず希望する求人を確認し、必要なスコア、自分の現在のスコアとの差、優先して勉強すべきPartを整理してみましょう。

600点が必要なら、まず600点。700点が必要なら、700〜730点。800点が必要なら、その水準に必要な対策を行う。このように、転職という目的から逆算してTOEIC学習を進めることが効率的です。

当スクールでもこれまで、600点・730点・800点以上など、それぞれ異なる目標を持つ受講生のTOEIC対策をサポートしてきました。

TOEICは最終的なゴールではありません。目標スコアを取得し、それを就職・転職やキャリアアップにつなげることが本当の目的です。


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