使えるTOEIC単語アプリ(有料)はどれか?TOEIC990点満点ホルダーがレビュー・検証
前回調査した無料TOEIC単語アプリでは適当なものが見つかりませんでした。掲載した以外にもいくつか試したのですが、アプリ自体がすぐに落ちてしまうなどの問題があり、有料版を含めて探しました。
そこでApp Storeで見つけたのがアルク社から出ている「キクタン」シリーズ。書籍版をアプリ化したバージョンです。1月14日までちょうどキャンペーン中で安かったので、600点(キャンペーン価格200円)と800点(キャンペーン価格400円)の2つを購入しました。
以下の書籍版のアプリです。
TOEIC頻出単語・語彙リストとの比較
今回も前回と同様、収録されている単語が、TOEICの傾向に合っているかどうかを「新TOEIC R TEST 出る順で学ぶボキャブラリー990」から抽出した単語との比較で検証してみました。
「TOEIC単語アプリでもっとも重要なのは、傾向にあった単語が収録されているかどうか?」です。
TOEIC初級者から中級者は、収録されている単語がTOEICに出やすいかどうか判断できません。出ない単語を覚えてもスコアアップにつながりません。
また、出やすい単語が収録されていないと、非常に効率の悪いTOEIC単語の勉強になります。こうした理由により収録単語の質の評価を実施しました。
ベンチマーク(基準)TOEIC単語リスト
以下が、選定した30語です。前回同様同じリストを使います。
470点レベル(7語)
position 職
ship 発送する
store 保管する
book 予約する
due 期限である
interview 面接する
renovate 改修する600点レベル(13語)
vehicle 乗物
colleague 同僚
banquet 晩餐会
deadline 締め切り
renew 更新する
upcoming 来たる
venue 会場
extension 内線
temporary 臨時の
refreshment 軽い飲食物
subscribe 定期購読する
contribute 寄付する
fine 罰金
supervise 監督する730点レベル(10語)
complimentary 無料の
customs 税関
warehouse 倉庫
warranty 保証
entire 全体の
merger 合併
merchandise 商品
tentative 仮の(※2014年1月12日の公開試験マイナーフォームPART6にも出ました)
real estate 不動産
inconvenience 迷惑
例えば、動詞のsubscribe(定期購読する)の場合、名詞のsubscription(定期購読)といった同じ意味の品詞違いはカウントすることにします。real estate(不動産)はestateのみでもOKとしました。
一方、先ほど例にあげた、positionが「位置」のみで「職」がない場合は、カウントしません。
収録単語からみた有料TOEICアプリのレビュー
キクタンTOEIC(R) Test Score 600【アルク】(1120単語・熟語 800円)
●ベンチマーク(基準)TOEIC単語リストとの比較結果
12語/30語=40%
●レビュー・評価
「新TOEIC R TEST 出る順で学ぶボキャブラリー990」から抽出した470点レベルはほとんどカバー。難易度が高いほうは、800点や990番とすみ分けされているのでしょう。比較対象の単語・語彙以外もぱらぱらと見ましたが、TOEICに出そうなものがほとんどという印象です。
さすが実績のある出版社がつくったTOEIC向け単語集をベースにしているだけのことはあるでしょう。
このアプリには、キクタンの特徴である「チャンツ」が組み込まれています。
アルク社のWEBによればチャンツとは、
「音楽に合わせて単語と訳が読み上げられることにより、発音と意味が効率よく記憶に刻み込まれていきます。同じ単語が複数回読み上げられること、最後に英語が流れることも記憶への定着を助けるポイントです。」
チャンツは好みもあるので、万人向けとはいえませんが、合う方にとっては効果があると思います。
機能面でやや不満のあるところは、学習のところで特定のDay(章のようなもの)を選択して学習したり、テストしたりすることができないことです(※単にやり方がわからないだけかもしれませんが)。どんどん先に進んでいくしかなく、使いづらいところです。
前にやったところは、復習として出てはきますが、Day単位でさかのぼってテストできるといいと思います。
キクタンTOEIC(R) Test Score 800【アルク】(1120単語・熟語 800円)
●ベンチマーク(基準)TOEIC単語リストとの比較結果
9語/30語=30%
●レビュー・評価
キクタンTOEIC(R) Test Score 600のほうの易しいほうとの重なりはほとんどなく(品詞違いでの収録はある)、比較リストの600点以降のものがいくつか入っています。
キクタンTOEIC(R) Test Score 600同様に、全体的にTOEICの傾向に沿った単語・熟語が収録されています。
派生語のダブりを入れないと、キクタンTOEIC(R) Test Score 600とキクタンTOEIC(R) Test Score 800で19語カバー(19語/30語=63.3%)。2冊セットであればいいかなというのが個人的な見解です。
まとめ
今回取り上げたキクタンシリーズは悪くはないと思います。比較リストの単語のカバー率は期待したほど高くはなかったですが、収録されている単語・熟語を見る限り、TOEICの傾向から外れたものはなく、全体的によくできていると思います。
収録単語・語彙について欲を言えば、頻度を考慮してもう少し数を絞り込んであればいいのではないかという印象です。TOEIC730点を含め800点をターゲットにする場合、1冊1120語が2冊なので2240語、これを1冊にして1000語ぐらいになればと思います。
TOEIC単語アプリに関しては、「これぞおすすめ」というのがないので、単語カードやフラッシュカード系のアプリに自作単語集(TOEIC新公式問題集などから選ぶ)を入れる方法について検討してみる予定です。
私は以前よりキクタンの電子書籍にて学習しています。
TOEICの単語をよくカバーしていると感じています。
1日64単語×35日間でキクタン600,800を覚えましたが、仰るとおりもう少しコンパクトにまとまっていたらもっと楽であったと思います。
ちなみに、venueなどはキクタン990にでてきます。
実感としては600,800+公式問題集だけでも問題ありませんが、990までやると穴が埋まるという印象です。