TOEIC公式問題集からFlashcards DELUXEを使って単語帳アプリを作る方法
TOEIC単語のアプリを無料、有料を含めていろいろ探しましたが、「これぞ!」といったものが見つかりませんでした。一番の不満は、自らが考えるTOEICの傾向にあった重要単語・語彙が十分に入っていないということです。
それなら、単語帳のアプリに自分で単語リストを入れてしまおうというのが今回のエントリーの趣旨です。例えば、TOEIC新公式問題集の単語を抜き出したTOEIC単語アプリがあれば、かなり使えるのではないかと思います。というわけで、実際に作ってみました。
Flashcards DELUXEを使う
単語帳として使えるものをネットで調べて、よさそうなものを2つ見つけました。
(1) Flashcards DELUXE
http://orangeorapple.com/Flashcards/
※Power1000さんのサイトに詳しい情報があります。
Flashcards Deluxe日本語解説
(2) Anki / AnkiDroid(アンキドロイド)
http://ankisrs.net/
https://play.google.com/store/apps/details?id=com.ichi2.anki
(2)のandroid版は無料ですがiPhoneのアプリが2500円(2014年1月現在)と高価なので、(1)のFlashcards DELUXE(Android:350円、iPhone:400円【2014年1月現在】)を今回選定しました。
【無料版で評価】
Flashcards DELUXEには、機能を限定した無料版があります。
無料版のFlashcards DELUXE Lite:
登録Deck数【単語帳1冊に該当】はひとつのDeckの最大カード数は6枚
使いやすさなど動作確認はできますので、お試しください。
※製品版およびLite版のメニューはすべて英語です。Lite版でメニューなどの使い勝手を確認してから購入された方がいいでしょう。
※Lite版によるチュートリアルがPower1000さんのサイトに詳しく書かれてありますのでご参考願います。
単語帳の機能と条件
Flashcards DELUXEは多機能で、いろいろなものを付け加えられます。しかし、機能や情報を加えれば加えるほど複雑になるので最小限の機能でシンプルなものを目指すことにしました。
具体的な条件
- 表面は英単語、裏面に日本語の意味。紙の単語帳と同じイメージです。
- 表面の英単語には、発音が確認できるようにする。テキストを用意するだけで発音を組み込めます。TTS機能(Text to speech)というのがそれであり、すごく便利です。紙の単語帳では実現できない機能です。
- ひとつの単語帳を100~200語ぐらいまでにする(500語とか1000語をひとつの単語帳にいれない、1000語の場合は、5~10個に分割する)。例えばTOEIC新公式問題集でひとつのPARTの単語を1セットの単語集とする。
Flashcards DELUXE導入手順
※iPhone版で説明いたします。
1. App Storeで「Flashcards DELUXE」(有料)を検索、ダウンロードしてインストールします。
2. アプリケーションを立ち上げます。
Decksというのは、ひとつの単語帳(単語カードのカタマリ)のような意味です。初期状態では「Introduction」というDeck(デッキ)が入っています。
※Power1000さんのLite版によるチュートリアルを見ながら操作を試してみてください。
3. 単語リストを用意する。
ここでいったんアプリから離れて、どのようにして単語リストを準備するかについて書きたいと思います。アプリから直接入力する方法もありますが、手間がかかるのでPC上で作成したものを取り入れる方法を説明いたします。
【カードの仕様】
(例)カードの表に英単語、裏に日本語を表示するデッキの作成
・使用アプリケーション/ソフト
テキスト入力できるアプリケーション・ソフトを使用。
Windows メモ帳など
Mac テキストエディットなど
・フォーマットに従ってデッキデータを入力します。
英単語と日本語をTab(タブ)で区切り、Enter or Return(Mac)キーで改行して追加していきます。
基本フォーマット:
英単語1 [タブ]日本語1[改行]
英単語2 [タブ]日本語2[改行]
英単語3 [タブ]日本語3[改行]
これが基本フォーマットとなります。このフォーマットに従った単語帳例として、下記のようなものを用意しました。(TOEICっぽい単語を3つです)
・・・
appointment 予約
article 記事
equipment 設備、備品
・・・
※念のため、作ったリストはファイルで万が一の場合に備えて、保存しておくのがいいでしょう。
4. 単語リストをアプリに読み込む
アプリへのリストの読み込みですが、いくつかの方法の中から最も簡単なものを紹介いたします。
他の読み込み方法は、Power1000さんの記事を参照願います
※iTunesからの読み込み
※Googleドライブ(旧Googleドキュメント)からの読み込み
※Dropboxからの読み込み
4-1. 以下のアプリのサイトにテキストをアップロードして、そこから直接取り込む方法。
http://orangeorapple.com/Flashcards/
アップロードページ
http://orangeorapple.com/Flashcards/Upload.aspx
4-2. 用意した単語のリストを「Flashcards Text」に貼りつける。
4-3. 「Deck Code」に 半角英数字スペースなしで(例 toeicdecksample)記入。
オプションの記入箇所、Deck Name(optional)いわゆる単語帳の名前と書かれているところはあとで変更できるので、空欄にしておいてもOKです。
4-3. 「Upload Flashcards」ボタンを押します(タップします)。
これでアップロード完了です。
*注)アップロードしたDeckは永久に保存されるようではないのでバックアップをしたほうがいいでしょう。
4-4. アプリを立ち上げて右上の「+」を押します(タップします)。
4-5. 「Private Deck」を押します(タップします)。
4-6. 「Deck Code」を押します。
4-7. 先ほどアップロードしたDeck Codeを入力します(例:toeicdecsample)。
4-8. 「Download Cards」を押します。
4-9. Decksのなかに読み込んだ「Toeicdecksample」が表示されています。これを押して(タップして)スタートします。
4-10. 先ほど入れたリストの1番目の英単語が表示されます。
4-11. 画面を押す(タップする)を裏面の日本語が表示されます。
4-12. ひとつのカードに対して、次に行く前に、3つのステータスをつけます。
・知っている(correct)場合
右にスワイプ(画面を指で右方向になぞる)
・知らない(wrong)場合、
下にスワイプ(画面を指で下方向になぞる)
・完璧に知っている(strongly correct)場合、
上にスワイプ(画面を指で上方向になぞる)
4-13. 次のカードの表裏です。
4-14. 3枚目(最後)のカードです。
4-15. 一通り終わるとスコア画面が表示されます。左上の矢印を押すとDeck(デッキ)の一覧画面に戻ります。
5 音声ファイルのダウンロード:TTS(Text to speech、スピーチ)機能の活用
ここまでで用意した単語リストは、ただ単なるテキストだけでした。TTS(Text to speech、スピーチ)機能をこのリストに反映させることで、英単語に音声ファイルを簡単に組み込むことできます。とてもすばらしく、役に立つ機能です。
具体的には、表面の英単語の下にボタンをつけて、それを押すと英単語を読み上げてくれます。
先ほど読み込んだデッキ「toeicdecksample」に音声ファイルを追加します。
5-1. デッキ(Decks)画面で右上の「Edit」を押します。
5-2. 対象となるデッキ「toeicdecksample」を選択します。
5-3. 下の方にある「Text to Speech(TSS)」を選択します。
5-4. TTS Voiceの「Voice1」が英単語、 「Voice2」が日本語に相当します。まずは、「Voice1」を選択します。
5-5. 「English(Female)」を選択します。
お好みで 「English(male)」や「English(UK)」でもOKです。
5-6. 左上の「<」で前の画面に戻ります。「Voice1」のところに「English(Female)」が入っているのがわかります。
※日本語の読み上げは必要ないかもしれませんが、同じような手順で「Voice2」にJapanese(日本語)を入れてみましょう。
5-7. 「Download Sound」を押して、音声ファイルを取り込みます。終了すると「Done」が表示され「Ok」を押します。
5-8. 左上の「<」で前の画面に戻ります。
5-9. 右上の「Done」を押します。
5-10. 次に音声が入っているか確認しましょう。「Toeicdecksample」を選択します。
5-11. 単語の下に三角の再生ボタンがあります。これを押して音声を確認してください。
6. Flashcards DELUXEの使い方
Flashcards DELUXEは多機能で様々なカスタマイズができます。今回は必要最小限やったほうがいい、知っていたほうがいい機能についてのみ絞って説明いたします。
6-1 学習モードの切り替え
右上の「Edit」を押して(タップして)、編集するデッキを選択します。
(1)Ordered
初期設定で、ひとつのデッキのカード全数がカードの順番通り出題されます。
(2)Ramdom
「Card Order」を押すと(タップ)モード選択画面になります。そこで「Ramdom」を選択。
ひとつのデッキのカード全数がカードランダムで出題されます。
(1)または(2)で学習する場合、わかりきった単語、知っている単語を繰り返すのは効率が悪いので、「間違えたカードだけを学習後に繰り返して表示する(Repeat Missed)」というオプションをオンにするのがいいでしょう。初期設定では、オフになっています。
A. 右上の「歯車」アイコンを押す(タップする)
B. 「Repeat Missed」を押す(タップする)
C. 「Yes」を選択して、左上の「<」で戻る。
D. 右上の「Done」を選択する。
(3)Short Term Goal / Leitner
間違えたカードは多くテストされるモード。1回につき10問(初期設定値)のセットで出題される。数週間後のテストに向けた学習に適している。(短期記憶向け)
※右下に表示される「streak」は、連続して正解した数。数字が多ければ多いほど定着の度合いが高いと言える。間違えるとリセットされゼロに戻る。
(4)Spaced Repetition
学習時刻を記録し、その復習間隔をだんだん広げていくことで効率良く記憶する方法。長期記憶に適したモード。学習ペースはアプリ側で自動設定されます。正解の回数の多い単語ほど、次の復習する間隔が長くなります。
知っている単語の復習間隔は長く、知らない、あるいは間違えた単語は復習間隔が短くなるので効率的に覚えられます。
これが、おそらく一番単語学習に適したモードでしょう。自分でも試してみる予定です。
まとめ
TOEIC単語用アプリをできるだけ簡単に導入できるようにまとめてみましたがいかがでしたでしょうか? すでにエクセルで単語を抜き出している方は、リストのフォーマットに合わせれば、すぐに始められるでしょう。
今回は、英単語と日本語訳のシンプルな単語集でしたが、Flashcards DELUXEでは、英単語だけでなく、例文や画像、オリジナルの音声ファイルを組み込むこともできます。また4択問題の機能もあります。興味のある方は、試してみる価値ありですね。
こちらでも、このアプリの効果を検証するためにSpaced Repetitionモードで知らない単語を覚えてみようと計画しています。またブログで公開いたしますのでよろしくお願いいたします。