TOEICのリスニングが苦手なあなたへ!上達するコツを教えます。
- 書かれたTOEICの英文ならほぼ理解できる。
- 文字を見てしまえば意外と簡単な表現や文章である。
- 単語も知っているのが多い。
でも、まったく同じ英文がネイティブスピーカーによる話し言葉になると、スピードについていけず、途端に理解できなくなる。
これは、リスニング初心者に共通する悩みではないでしょうか。
いろいろなTOEICリスニングの勉強法があるけど…
TOEICのリスニング力をつけるさまざまな勉強法やコツが公開されてはいます。
「音読・シャドーイングをやりましょう」
「スピードを速めて聞く練習をしましょう」
「発音できる音は聞き取れるので発音練習をしましょう」
などいろいろあり、どれをどのようにやったらいいか迷ってしまいがちです。
それぞれのトレーニング方法には、いい面があるのは確かですが、TOEICリスニング初級者が何を集中して覚え、どのレベルまで聞き取れば正解が選べるかについて、あまり説明されていません。
今回はTOEICのPART3の会話文問題を例として取り上げ、リスニングができない理由、どの部分を聞き取り、どのような点に注意して練習するかについてまとめました。
会話文の中で、どれくらいの単語やフレーズを拾えばいいか具体的な例を作成し、リスニング力上達のイメージができやすいように工夫しました。
※以下は、会話文 TOEIC公式問題集Vol5のPART3 サンプル問題 Questions 41 through 43 refer to the following conversation. を具体例をして使用しました。
リスニング超初心者の聞き取りレベルのイメージ:穴だらけの理解
リスニング超初心者の聞き取りレベルを実際の会話文で具体例を作ってみました。聞き取れたところだけ単語を入れ、わからなかったところはすべて「( )」を入れてあります。(*あくまでひとつの例です。すべての初心者がこのように聞き取れているわけではありません。)
Hmm…( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) mistake because ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ).
OK. ( ) ( ) ( ) why ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( )? ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ). Is it ( ) ( ) Street?
That’s ( ) ( ) ( ). But ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ), why ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) how much ( ) ( ) ( ), ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ).
やや極端な例を書きましたが、聞き取れる単語のイメージです。
特徴は、次のようになります。
- センテンスの最初の出だしで簡単なものは聞き取れる。
- しかし、途中でついていけなくなるそのセンテンスは理解できなくなる傾向がある。
- ひと呼吸、間があるときに途中で単語をいくつか聞き取れる。
- だが、全体の流れをつかんでないでの、情報をつなげることができず、すぐに忘れてしまう。
上のように穴だらけの情報では、何の会話かわかりません。このレベルのリスニング力だと設問に答える情報が不足しているので正解を選ぶことができません。
リスニング力を上げるポイントは? 『聞き取り単語力や語彙力を上げること』
TOEICのリスニング力を上げるためには何をすればいいでしょうか?
正解は、上の「( )」をできるだけ多く埋めていけるようにすることです。まずは全体の2割、3割ぐらいまでわかるようにすることです。
リスニング力の上達は、急激に起こるものではありません。時間をかけながら伸びていきます。理解できる単語・フレーズが少しずつ増えていくと、聞き取れた部分をつなぎ合わせて想像力を働かすことができるようになります。
さらに聞き取れる情報が多くなればなるほど、正確な理解と想像力の精度があがってきます。
リスニング力を上げるコツは、聞き取り語彙力(ボキャブラリー)を上げていくことです。
ここでいう語彙力とは、単語単体と、いくつかの単語がまとまったフレーズのパターンを覚え、慣れていくことです。
この問題で重要な単語、フレーズは下記のようになります。会話の流れを理解するためには、音を聞いて瞬時に理解できる「聞き取り語彙力」が必要です。
語彙・フレーズのリスト
単語単体または2語程度(簡単なものを含みます)
dental office(歯科医院)
payment(支払)
due(期限) * paymentと一緒に使われやすいことも練習しておく
mistake(間違い)
bill(請求書) * invoiceも同じような意味なので
resend(再送する)
remind(伝える)
invoice(請求書)
address(住所)
instead of(~の代わりに)
決まりきったフレーズ・よく使われるフレーズ
why don’t I ・・・?(~しましょうか? TOEICによく出てくるフレーズ。whyを「なぜ」いう意味だけしか知らないと理解できない)
why don’t you ・・・? (~してもらえませんか?TOEICによく出てくるフレーズ提案とか勧誘で使われる。これもwhyを「なぜ」とだけ知っていては意味が理解できない)
Let me confirm that(確認させてください)
tell me how much(いくらか教えてくれ)
wanted to remind you that(知らせたかった)
sending a new bill(新しい請求書を送る)
フレーズ単位で聞き取れるようになると、リスニング力が大きく上がってきます。よく使われるフレーズは何度もでてきます。
例えば、confirm(確認する)という単語単体で覚えるだけでなく、Let me confirm that(確認させてください)を一緒に練習しておくと、このフレーズを聞いたとき瞬時に理解できるようになります。
4つの単語が同時にまとまった意味として理解できるようになるとTOEICのリスニングが楽になります。
聞き取り語彙力はどのように増やすか?
TOEIC公式問題集などの音声付リスニングテキストを使っているのであれば、その問題を素材にして語彙力を増やすのがいいと考えます。
別の単語集を新規にやるよりも、使っている問題集の音声を何度も聞き、語彙・フレーズの意味がすぐに分かるようになる状態までやりこむのが最短の道だと思います。
声に出す音読もいいですが、声に出さなくても頭の中で音声の再生(できるだけ音声ファイルと同じような英語のリズムで再生するイメージ。脳内で音読するイメージ。)を繰り返すといいでしょう。そうすれば、会話の流れや重要単語、フレーズを自然と覚えることができます。
念のため付け加えますが、丸暗記までする必要はありません。繰り返し理解しながら聞くことで自然に英語の感覚が身に付く状態を目指すのです。
聞き取り語彙力を身につけるとどうなるか?
ある程度練習を積んで聞き取り語彙力を上げると、聞き取れる部分が増えていきます。
(※これもひとつの参考モデルです)
まだところどころに穴がある虫食い状態(60%強の理解)ですが、全体の会話の流れも理解でき、設問も答えられる状態です。虫食い状態がこれくらいを聞き取れていると、全体の流れがわかり、すべての設問にも答えられます。6~70%までくると理解度が大きく上がってきます。
Hmm… there must ( ) ( ) some ( ) ( )mistake because ( ) haven’t received ( ) bill ( ) ( ) ( ) yet.
OK. ( ) ( ) ( ), why don’t I resend ( ) ( ) invoice? Let me just confirm ( ) ( ) ( ) ( ) correct address. Is it ( ) ( ) Street?
That’s ( ) right address. But ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ), why don’t you just tell me how much ( ) bill ( ), and ( ) ( ) ( ) payment right away.
41. Where is the woman calling from?
(A) A dental clinic
(B) An accounting firm
(C) A pharmacy
(D) A post office
42. What does the woman want to check?
(A) The spelling of a name
(B) The number of an account
(C) A mailing address
(D) An appointment date
43. What does the man ask the woman to do?
(A) Tell him the amount he owes.
(B) Send him a receipt by e-mail.
(C) Give him driving directions.
(D) Call him back later.
【オリジナルの会話文】
Hello Mr. Kim. I’m calling from Dr. Peterson’s dental office. I just wanted to remind you that your payment for last month’s visit was due yesterday.
Hmm… there must have been some kind of mistake because I haven’t received a bill for the treatment yet.
OK. In that case, why don’t I resend you the invoice? Let me just confirm that I have the correct address. Is it 242 Oak Street?
That’s the right address. But instead of sending a new bill, why don’t you just tell me how much the bill is, and I’ll mail a payment right away.
(TOEIC公式問題集Vol5のPART3 サンプル問題 Questions 41 through 43 refer to the following conversation.より)
まとめ
TOEICに必要なリスニング力やそれを身につけるコツについてまとめましたが、聞き取り単語力・語彙力をつけない限り、リスニング力が上がらないことを理解いただけたかと思います。さらに、単語単体でなく、可能なものはフレーズ単位で身につけていくことが重要であるということです。
ポイントを箇条書きにします。
- リスニングの上達には、聞き取れる単語・語彙・フレーズを増やしていくことが重要。
- 聞き取り部分が増えてくれば、想像力を働かして会話の流れをつかむことも可能になってくる。
- 初心者の会話文の聞き取りのイメージは一部の単語だけ聞き取れ、あとは穴だらけの理解。
- その穴を少しずつ埋めていけば、確実にリスニング力は上がってくる。
- 完全に理解できないレベルでも十分問題は解ける。
- 聞き取り精度は上げなければならないが決して完璧にわからなくても問題ない。
聞き取り単語力・語彙力の穴を埋めて、リスニングの壁を突破しましょう!
TOEICリスニングで高得点も夢ではありません。
あとは実践あるのみです。