TOEICのリスニングは難しくない!PART3・4対策でリスニングのスコアを上げる方法
大学受験まで、リスニングの勉強をあまり重視してこなかった方にとって、TOEICのリスニングに苦手意識があるかもしれません。しかし、TOEICのリスニングはそれほど難しくないということを最初に申しあげておきます。
パート3、パート4の会話文・説明文において、細かいところまで正確に聞き取らなくても(例えば冠詞とか前置詞、過去か現在完了かなど)、ほとんどすべての設問で正解を選べます。キーワードを聞き取りつつ、話の流れがある程度つかめれば答えられる問題が多くあります。
リスニング初級者から中級者は、設問に関連するキーワード、話の大まかな展開をとらえることを重視すべきだと考えます。リスニング力がついてくれば、より多くの情報を正確に聞き取れるようになりますので、あせらず取り組みましょう。
先読みとは?
リスニングのスコアアップの強力な武器が設問と選択肢の先読みです。すでに多くの人が実践しているかもしれませんが、先読みとは、設問の音声が流れている間に、次の設問と選択肢に事前に目を通して、次の問題に備えておく方法です。設問と選択肢を先読みすることで、何(キーワード)を集中して聞けばよいかあらかじめ準備しておくことができ、優位な状況を作り出すことができます。
事前準備練習
先読みの準備段階として、設問と選択肢をすばやく読んで理解できるようにすることが必要です。
設問の意味が理解できなかったり、また理解するのに時間がかかったりしているようですと先読みの効果がなくなってしまいます。
そのためには、ETSのTOEIC公式問題集など良質な問題集の設問と選択肢を読んで理解する練習を先に行ったほうがよいでしょう。意味がわからなければ、日本語訳を参考にしたり、辞書などで調べたりして理解し、読んですばやく、確実に意味がつかめるようにしておいてください。設問パターンも限られますので、ある程度の問題を見ておけば、特に理解に苦しむものはないでしょう。
先読みの具体的な方法
一番簡単に実践できる順に書きます。
- 3問の設問のうち1問目の設問を読む
- 3問の設問のうち1問と2問目の設問を読む
- 3問の設問をすべて読む
- 3問の設問を読み、選択肢を1問~2問分読む
- 3問の設問を読み、選択肢も全問読む
最初からすべてを完璧にこなそうとしても無理があるので、できるところまでやっていけばいいでしょう。またすべての設問で同じ方法をとるのでなく、余裕のある時はより進んで読む範囲を広げる、時間のないときは最初の設問だけでも読むといったように状況に合わせて対応するのがよいでしょう。また選択肢で曜日とか時間などがある場合は、事前に記憶しておいたほうがいいと思います。
いかにして記憶にとどめるか?
設問にただ目を通すだけで忘れてしまっては意味がありません。できるだけ内容を覚えておく必要があります。その方法は大きくわけて2つあります。
1.設問の中のキーワードを重点的に覚えておく。
設問文中、重要な単語は通常数語です。全センテンスだとなかなか覚えられませんが、キーワードの数語を集中して覚えるのであればそれほど困難ではないでしょうか。
例で説明しましょう。
Where does the man most likely work?
という質問であれば、
キーワードは、「Where, man, work?」です。これを記憶しておけばよいわけです。
以下にいくつか例を挙げてみます。
Where does the conversation most likely take place? 「Where, conversation?」
What will the woman do next? 「What, woman, do, next?」
What’s the man’s concern? 「What, man, concern?」
What type of business is being advertised? 「What, business, advertised?」
Why did the woman send an e-mail? 「Why, woman, send, e-mail?」
2.日本語に要約して覚える
英語のままだと覚えられない場合は、日本語に要約して覚えておくというのも一手です。
同じく上の例で説明しましょう。
Where does the man most likely work?
を「男性どこ働く」といったように簡易要約します。
以下にいくつか例を挙げてみます。
Where does the conversation most likely take place? 「どこの会話?」
What will the woman do next? 「女性は次何する?」
What’s the man’s concern? 「男性の不安は?」
What type of business is being advertised? 「広告されているビジネスは?」
Why did the woman send an e-mail? 「なぜ女性メールを送った?」
先読みのリズムが崩れたときは
ある問題でつまって、時間がかかりリズムが崩れてしまうこともよくあります。そのようなときは、一旦先読みをあきらめ、時間に余裕ができた時点で再開すべきでしょう。
大まかな内容をどうとらえるか?
この対策の有効な方法は、TOEIC新公式問題集等に出てくる会話文、説明文を何度も聞いて話の展開に慣れておくことです。話しの流れは日本語で理解しておいても構わないでしょう。要は、どのような場所でどのように話が展開されたかを知っておくことが重要です。
例えば、
- 空港または駅などのアナウンスで、何らかの理由で遅れる
- クリニックから予約時間の変更についての留守番電話メッセージ
- ラジオCMでお店のセールについてのお知らせ
- ある社員の表彰についてのアナウンス
- コピー機などの事務機器が使えなくなってどう対応したか
など、ある程度TOEICの問題を解いているとその傾向・パターンがつかめてくるはずです。
試験でなじみのある話題が出た場合、聞き取れる単語やフレーズも増え、正答率も上がってきます。
会話文・説明文の音声には集中を
PART3の会話文、PART4の説明文が流れている間は、音声に集中したほうが聞き逃しを減らすことができます。設問や選択肢を見ながらだと、重要な箇所をうっかり聞き逃す可能性があります。 会話文、説明文の音声が流れているときはそれに集中することを第一にしたほうがいいでしょう。音声を聞く、設問を見るを同時に行うことは、かなり難易度が高く、どちらかがおろそかになるからです。(※設問、選択肢を見ながらのほうが、正解率が高い方は、その方法でもOKです。)
TOEIC新公式問題集で練習を
PART1,PART2と同様に定番のTOEICテスト 新公式問題集(Vol4とVol5、次いでVol3あたり)で繰り返し練習するのがいいでしょう。最初に一通り解いてみてわからなければ、すぐに答えを見て構いません。聞いて理解できないものを何度聞いても理解できませんので。
聞き取れなかったところは、何を言おうとしているのか意味を理解しながら聞くのが大切です。聞き流すだけではリスニング力は上がりません。
音読・リピーティング・シャドウイングなどのトレーニングを合わせて実践できるのであれば、一層効果があるはずです。ただし、音読の効用を多くの人が指摘していますが、TOEICレベルのリスニングでは、絶対条件ではないと考えますので無理にトレーニングに取り入れなくてもいいでしょう。音読のトレーニング以前に何を言っているかを正しく聞き取れることがより重要です。