対策本レビュー「新TOEIC TEST 全力特急 絶対ハイスコア」!特にPART7の「解答の極意」は一読の価値あり
新TOEIC TEST 全力特急 絶対ハイスコア
著者の濱崎潤之輔さん(HUMMERさん)の長年のTOEICの勉強から獲得されたノウハウを惜しみなく詰め込んだTOEIC対策本です。TOEICにかける情熱が伝わってきます。本書は、ハイスコアをめざす方向けに書かれていますが、TOEIC初級者から中級者にとってもヒントになるノウハウが入っています。中でも、PART7「解答の極意」(P87~)は、このパートで伸び悩んでいる方、苦手な方にとって突破口になる可能性があります。そのポイントについて簡単にまとめてみたいと思います。(※PART7以外のPART3・4対策なども参考になる内容ですが今回はPART7に絞らさせていただきます。)
英文のベタ読みすることを基本とする
「きちんと英文を読むことから逃げない」
「できるだけ読まないで、時間をかけずに解答する」というテクニックばかりに走っていると、正確さを維持できません。
読むべきところはきちんと読み、読む必要のない部分は、「読まずに見る」こと。
ここで「読まずに見る」というのもなかなか興味深いです。メール文の中のメールアドレスは、@マーク以後のドメインには、同じ社内のやりとりか、それとも社外メールなのかなどの判断のために、さらりと目を通す程度で深く読み込まないというのが「読まずに見る」一例です。要は、問題文全体を理解するスピードを上げるために、しっかり読む部分(本文など)とそうでない部分の強弱をつけるということです。
濱崎さんも説明していますが、PART7の設問の解答には、かならず本文の中に根拠があります。あるPART7対策によると、先頭のパラグラフだけを読んで、全体を理解していけば多くの問題の答えが見つけられるとか、設問の中のキーワードを本文から探せば答えられるというのがあります。しかし、解答の根拠はパラグラフの途中にあることのほうが多いですし、またキーワードが言い換えられるケースもありますので、拾い読み、飛ばし読みテクニックでは頭打ちになるでしょう。
私もここ最近ずっとTOEICを受験していますが、全体を読んで理解しないと解けない問題が増えている印象があります。なので、PART7ではきちんと本文を読むことで解いていくという基本スタンスは、すごく納得できることです。
PART7を解き進めるための極意 「正解回路」の構築
この方法はユニークで、PART7で行き詰まっている方にとって試してみる価値のある解法です。詳細は、本書を見ていただくということで、そのポイントだけを抜粋します。
1.設問を一つ読みます。
最初の設問を読みます。2.問題文(長文)はベタ読みします。
問題文を上からベタ読みします。ベタ読みとは、飛ばし読みをしないことです。3.設問に解答するための根拠が見つかったら選択肢に進みます。
4.根拠と選択肢を照合して正解をマークします。
問題文内の根拠と選択肢を照らし合わせて、正解の選択肢をマークします。5.次の問題の設問を読みます。
次の問題の設問に進み、3の時点で読み終えた、すぐ次の英文から再び読み進めていきます。上記を繰り返し、そのセットの問題を一通り解答し終えたら次のセットに進みます。
この方法のメリットは、「ひとつの設問だけを読んで、その解答根拠を探す」ということです。問題文(長文)を全部読んでから設問に戻ると、問題文の中身を忘れてしまい、また問題文全体を読み返さなければならないケースが多いと思います。こうしていると問題文と設問を何度も行き来することになり、どんどん時間が経過していきます。ただでさえリーディングでは厳しい時間制約があるのに、さらに時間をロスすることは避けたいところです。
「ひとつの設問」だけなら覚えるのも容易です。それに対して解答の根拠となる個所を集中して探すことで、時間のロスを減らすことができます。さらに次の設問は、前に答えた設問で読んだ問題文(長文)の途中から読めばいいので、効率がよくなります。
本書には、例題を用いて具体的にどのように解いていくかが詳しく書かれています。この方法が自分に合っていると思われる方は、練習をすることで、PART7の得点率が大きく改善される可能性があります。