TOEIC Part5接続詞・前置詞・副詞問題の解き方
TOEICパート5で、選択肢が接続詞、前置詞、副詞からなり、適切なものを選ぶ問題があります。TOEICの公開試験で毎回1問以上出題されます。次のような問題です。
問題
——– the tourist season begins, Trattoria Porte will extend its hours of operation until 23:00.
(A) Afterward
(B) Prior to
(C) Once
(D) During
※解答は後ろにあります。
このタイプの問題は、文の基本構成要素である主語Sと動詞Vを見つけることができれば、意味を考えることなく容易に解けることが多いです。
解き方を理解してマスターすれば、ほぼ毎回正解できるようになるので、ぜひ得点源にしたいところです。
ちなみに接続詞、前置詞、副詞問題では、正解となる選択肢は、通常は接続詞か前置詞のどちらかにになります。副詞が正解になるケース(※文として完結している場合は副詞が正解)はまれです。したがって接続詞の働き、前置詞の働きを理解することが大切です。
※今回の説明で使用する「接続詞」は従属・従位接続詞を指します。従属・従位接続詞の後ろには原則、主語Sと動詞Vから成る文が続きます。一方and、but、orなどの等位接続詞は、主語Sと動詞Vの文をつなげる働きだけでなく、語と語や句と句など、同じ性質のものをつなげることができます。
接続詞(従属・従位接続詞)が正解になるパターン
主語S+動詞Vの文と文をつなぎます。次のような構造で接続詞は使われます。
パターン1(文頭に接続詞、カンマでSVを区切る)
【接続詞】+【主語S】+【動詞V】, 【主語S】+【動詞V】 .
⇒ 文頭が空所で主語Sと動詞Vが続いてカンマで区切られ、そのあとに再び主語Sと動詞Vが続けば、文頭には接続詞が入ります。この位置に前置詞や副詞は入りません。
⇒ 選択肢の中に接続詞が1つの場合は、文全体の意味を考えることなくその選択肢を選べばOKです。2つ以上ある場合は、文の意味を考えて絞り込む必要があります。
例文
When she was a high school student, she visited Canada.
(彼女が高校生の時、カナダを訪問した)
When(接続詞) + she(主語S) + was(動詞V), she(主語S) + visited(動詞V).
「接続詞+SV, SV」の構造になっている。構造を確認するときは、動詞と主語以外は無視しても構いません。
パターン2(文中に接続詞)
【主語S】+【動詞V】+【接続詞】+【主語S】+【動詞V】 .
⇒ 前半が主語Sと動詞Vの構造で、後半に再び主語Sと動詞Vが続けば、SVをつなぐ空所には接続詞が入ります。この位置に前置詞や副詞は入りません。
⇒ 選択肢の中に接続詞が1つの場合は、文全体の意味を考えることなくその選択肢を選べばOKです。2つ以上ある場合は、文の意味を考えて絞り込む必要があります。
例文
He stayed home because it was raining.
(雨が降っていたので彼は家にいた。)
He(主語S) + stayed(動詞V) + because(接続詞) + it(主語S) + was raining(動詞V).
「SV+接続詞+SV」の構造になっている。
全体構造を確認するときは、動詞と主語以外は無視して構いません。
前置詞が正解になるパターン
名詞(または名詞句:2語以上で名詞として働くカタマリ)をつなぎます。次のような形で前置詞は使われます。
※名詞句の中にはSV(主語+動詞)はありません。
パターン1(文頭に前置詞、カンマで後ろに主語Sと動詞Vがくる ※TOEICの問題では通常カンマ付き)
【前置詞】+【名詞(句)】, 【主語S】+【動詞V】 .
例文
During the meeting, we talked about new ideas.
(ミーティングの間に、私たちは新しいアイデアについて話した。)
During(前置詞「~の間」) + the meeting(名詞句), we(主語S) + talked(動詞V)
⇒ 文頭が空所で名詞(句)が続いてカンマで区切られ、そのあとに主語Sと動詞Vが続けば、文頭には前置詞が入ります。この位置に接続詞や副詞は入りません。
⇒ 選択肢の中に前置詞が1つの場合は、文全体の意味を考えることなくその選択肢を選べばOKです。2つ以上ある場合は、文の意味を考えて絞り込む必要があります。
パターン2(前半に主語Sと動詞Vがあり、空所を挟んで後ろに名詞〈句〉)
【主語S】+【動詞V】+【前置詞】+【名詞(句)】.
例文
She went to the library despite the heavy snow.
(大雪にもかかわらず彼女は図書館に行った。)
She(主語S) + went(動詞V) + despite(前置詞「~にもかかわらず」) + the heavy snow(名詞句)
⇒ 最初に主語Sと動詞Vがあり、空所を挟んで名詞句が続けば、空所には前置詞が入ります。この位置に接続詞や副詞は入りません。
⇒ 選択肢の中に前置詞が1つの場合は、文全体の意味を考えることなくその選択肢を選べばOKです。2つ以上ある場合は、文の意味を考えて絞り込む必要があります。
副詞が正解になるパターン
このタイプの問題では、接続詞または前置詞が正解になることが圧倒的に多いですが、まれに副詞が正解になることがあります。
副詞が正解になるケースは、【主語S】+【動詞V】で文が完結している場合です。
覚えるべき重要な接続詞、前置詞、副詞
接続詞・前置詞・副詞問題の解き方が理解できれば、次に必要なのは重要な接続詞、前置詞、副詞(接続副詞)を覚えることです。特に最初に覚えた方がいいのが、接続詞です。代表的な接続詞は前置詞よりも数が少ないので覚えやすいと思います。以下に接続詞、前置詞、副詞のリストをまとめました。
TOEIC主要接続詞
接続詞 | 前置詞 | 副詞 | |
once ※超重要 | いったん~すると | かつて、一度 | |
when | ~の時 | ||
while | ~の間、~の一方で | ||
whereas | ~の一方で | ||
until | ~まで | ~まで | |
before | ~の前に | ~の前に | 以前 |
after | ~の後に | ~の後に | 後に |
because | ~なので | ||
as | ~なので、~のように | ~として | |
since | ~以来、~なので | ~以来 | 以来 |
although | ~だけれども | ||
though | ~だけれども | でも、しかし(口語) | |
even though | ~だけれども | ||
if | もし~なら | ||
even if | たとえ~でも | ||
unless | もし~でないなら | ||
whether | ~かどうか、 【whether A or BでAであろうとBであろうと】 | ||
as long as | ~する限りは | ||
provided that | ~である限り | ||
given that | ~であることを考えれば | ||
in case (that) | 万が一[もしもの場合]に備えて、 万一~の場合には | ||
in the event that | (万一)~の場合には | ||
now that | 今や~なので | ||
so that | ~できるように | ||
as soon as | ~したらすぐに |
TOEIC主要前置詞
接続詞 | 前置詞 | 副詞 | |
during | ~の間 | ||
throughout | 【時】~の間中ずっと 【場所】~の至る所で | ※副詞もあるがTOEICでは前置詞で基本出題 | |
among | ~の間に、 ~の中の一人[一つ]で (one of …と同じ意味で) | ||
due to | ~のために | ||
because of | ~のために | ||
owing to | ~のために | ||
despite | ~にもかかわらず | ||
in spite of | ~にもかかわらず | ||
in addition to | ~に加えて | ||
besides | ~に加えて、~以外には | その上 | |
aside from | ~は別として、~に加えて | ||
apart from | ~は別として | ||
unlike | ~とは違って | ||
without | ~がなければ | ||
concerning | ~に関して | ||
regarding | ~に関して | ||
with regard to | ~に関して | ||
following | ~の後に、~に続いて | ||
including | ~を含む | ||
instead of | ~の代わりに | ||
in place of | ~の代わりに、~の代理で | ||
regardless of | ~に関係なく | ||
in case of | もし~の場合、 ~の場合に備えて | ||
in the event of | (万一)~の場合には | ||
contrary to | ~に反して | ||
except for | ~を除けば | ||
subsequent to | ~の後で | ||
in accordance with | ~に従って | ||
in keeping with | ~を順守して | ||
by means of | ~を用いて、~によって |
接続詞と間違いやすい副詞(接続副詞)
however、therefore、moreoverなどの副詞(接続副詞)と接続詞を混同することがよくありますので働きの違いを確認しておきましょう。
接続副詞は主語S動詞Vの文同士をカンマ区切りでつなぐことはできません。前にS+Vの文があってピリオドで終わり、そのあとに新しい文が始まるときの最初において使うのが一般的です。
○【主語S】 + 【動詞V】. (ピリオド) 【接続副詞】+【主語S】+【動詞V】.
×【主語S】 + 【動詞V】<, (カンマ)> 【接続副詞】+【主語S】+【動詞V】.
×【接続副詞】+【主語S】+【動詞V】, (カンマ)【主語S】+【動詞V】 .
※単独の文で、主語Sと動詞Vの間にカンマ区切りで挿入することは可能
【主語S】<, (カンマ)> 【接続副詞】<, (カンマ)>【動詞V】
代表的な副詞(接続副詞)
接続詞 | 前置詞 | 副詞 | |
however | どんなふうにでも、 どうとでも~するように | しかしながら *TOEICでは副詞で 出題されると考えてよい。 | |
therefore | それゆえに | ||
moreover | さらに | ||
furthermore | さらに | ||
nevertheless | にもかかわらず | ||
nonetheless | にもかかわらず | ||
as a result | その結果として | ||
after all | 結局 | ||
on the other hand | 一方で | ||
otherwise | さもないと | ||
in fact | 実際は | ||
even so | たとえそうであっても |
問題の解答
1.選択肢を確認して問題のタイプを見分ける。
選択肢を見ると、副詞、前置詞句、接続詞、前置詞の【接続詞・前置詞・副詞問題】であることがわかります。
接続詞・前置詞・副詞問題では、空所からカンマまでに主語+動詞があれば接続詞が正解になります。
【文頭に接続詞がくる場合】
1.(接続詞)+(主語S)+(動詞V), (主語S)+(動詞V).
【文の途中に接続詞がくる場合】
2.(主語S)+(動詞V)+(接続詞)+(主語S)+(動詞V).
一方、前置詞(句)が正解になる場合は、前置詞(句)の後に動詞がなく、次のような形になります。
【文頭に前置詞(句)がくる場合】
3.(前置詞句)+(名詞句), (主語S)+(動詞V).
【文の途中に前置詞(句)がくる場合】
4.(主語S)+(動詞V)+(前置詞)+(名詞句).
2.解答のポイントを絞り込んで正解を選ぶ。
【注目すべき語句】
——– the tourist season begins, Trattoria Porte will extend its hours of operation until 23:00.
空所の後ろの形を見ます。the tourist season beginsで主語+動詞の形で、カンマ以降もTrattoria Porte will extendで主語+動詞の形になっています。この形は上の1に該当し、空所には接続詞が入ることがわかります。選択肢の中で接続詞は(C) Once(いったん~したら)だけなので(C)を選びます。
この問題のように、主語と動詞を確認して接続詞が入ることがわかり、選択肢の中に接続詞が1つだけならば文全体の意味を考える必要はありません。接続詞の候補が2つ以上ある場合は、全体の意味をとる必要があります。
この問題は文の主語・動詞の確認のみで判断できるので全文の意味を考える必要のない「部分読み問題」となります。
【問題文意味】
観光シーズンが始まったら、トラットリア ポルテは営業時間を23時まで延長します。
【単語等】
(A) Afterward(副詞:後で)
(B) Prior to(前置詞句:~の前に)
(D) During(前置詞:~の間)
・extend(延長する)