TOEIC Part 7を読むのが遅い原因は「返り読み」?前から読むための練習法
TOEIC Part 7を解いていると、「一度読んだのに内容が頭に入らない」「文の最後まで読んでから、また最初に戻ってしまう」「同じところを何度も読み直しているうちに時間がなくなる」ということはないでしょうか。
Part 7を読むのが遅い原因はいくつかありますが、その一つが返り読みです。ただし、本文に戻ること自体が悪いわけではありません。TOEICでは、設問の根拠を確認するために本文へ戻ることは普通にあります。
問題なのは、英文そのものを一度で処理できず、意味を理解するために同じ文を何度も読み直してしまうことです。この記事では、Part 7で返り読みが増える原因を整理し、英文を前から理解できるようになるための具体的な練習方法を紹介します。
TOEIC Part 7で「返り読み」が増えると時間が足りなくなる
Part 7では、シングルパッセージ、ダブルパッセージ、トリプルパッセージを合わせて54問を解きます。Part 5を10分、Part 6を10分で終えるとすると、Part 7に残せる時間は約55分です。
公式問題集12のTEST 1とTEST 2のPart 7を実測したところ、本文だけで平均約3,100語、設問と選択肢まで含めると平均約4,700語ありました。つまりPart 7では、かなりの量の英文を短時間で処理しなければなりません。
ここで、1文読むたびに前へ戻ったり、同じ段落を何度も読み直したりしていると、実際に目を通す英文量はさらに増えます。
例えば、ある文を一度読んだだけでは意味が取れず、1回目は最後まで読む、2回目は主語を確認する、3回目は意味を取り直す、という読み方をしていれば、1文を理解するために3回読むことになります。これがPart 7全体で積み重なると、大きな時間ロスになります。
「返り読み」には2つのタイプがある

1.日本語の語順に戻って訳す
例えば、次の英文を見てみましょう。
We will send you an estimate after we confirm your final choices.
日本語の語順に合わせて、「あなたの最終的な選択を確認したあとで、見積もりをあなたに送ります」と後ろから組み立て直す読み方です。
この方法でも意味は取れますが、英文を読むたびに日本語の語順へ戻っていると、長文では処理に時間がかかります。
そこで、We will send you an estimate / after we confirm / your final choices. のように意味のかたまりで区切り、「見積もりを送ります」「確認したあと」「最終的な選択を」というように、英語の順番のまま意味を足していく練習をします。
日本語として少し不自然でも問題ありません。目的は翻訳ではなく、英文を前から処理することです。
2.意味が取れず、同じ英文を最初から読み直す
もう一つは、「読んだけれど意味が分からない」→「もう一度最初から読む」というタイプです。こちらは、日本語の語順だけが原因とは限りません。
- 単語の意味が分からない
- 主語と動詞を見失っている
- 修飾関係が分からない
- 一文が長くなると情報を保持できない
- 一文を100%理解しようとしている
つまり、返り読みを減らすには、単に「前から読もう」と意識するだけでは十分ではありません。なぜ自分が戻っているのかを確認することが大切です。
Part 7で返り読みをしてしまう5つの原因

1.一語ずつ日本語に訳している
英単語を見るたびに日本語へ変換していると、英文全体の意味をまとめるまでに時間がかかります。
特に前置詞句や関係詞、分詞などが入ると、日本語として自然な語順に直すために後ろへ戻りやすくなります。
2.語彙が不足している
知らない単語が多いと、そのたびに読むスピードが止まります。さらに「この単語はどういう意味だったかな」と考えている間に、それ以前の内容を忘れてしまい、もう一度読み直すことがあります。
速読以前に、TOEIC頻出語彙をある程度自動的に理解できる状態にしておくことが必要です。
3.主語と動詞を見失っている
長い英文になると、途中に修飾語が入り、どれが主語でどれが動詞なのか分からなくなることがあります。
例えば、The new software developed by our engineering team will allow customers to track their orders more easily. という文では、The new software will allow … が文の骨格です。
developed by our engineering team は The new software を説明しています。この骨格を見抜けないと、「何が何をする文なのか」を確認するために最初から読み直すことになります。
4.長い修飾部分を全部同じ重要度で読んでいる
英文には、文の中心部分と、それを詳しく説明する修飾部分があります。すべての単語を同じ強さで処理すると、文の中心が見えにくくなります。
まず「主語+動詞」をつかみ、その後で修飾部分を補足として理解する方が読みやすくなります。
5.一文を100%理解しようとしている
TOEIC Part 7では、すべての文を完全な日本語に訳す必要はありません。少し分からない部分があるだけで「理解できていない」と判断して最初から読み直すと、時間がかかります。
重要なのは、問題を解くために必要な情報を理解することです。多少分からない表現があっても、文全体の意味が取れているなら前へ進むことも必要です。
返り読みを減らす5つの練習

返り読みを減らす練習1:まず主語と動詞をつかむ
長い英文を読むときは、まず文の骨格をつかみます。例えば、The new software developed by our engineering team will allow customers to track their orders more easily. なら、The new software / will allow が中心です。
その間の developed by our engineering team は「新しいソフトウェア」を説明している部分です。全文を同じように処理するのではなく、「誰が・何が → どうする」を先につかむ癖をつけると、途中で文の意味を見失いにくくなります。
返り読みを減らす練習2:スラッシュリーディング
英文を意味のまとまりごとに区切り、前から理解していく方法です。
The new software / developed by our engineering team / will allow customers / to track their orders / more easily.
これを「新しいソフトウェアは」「私たちの技術チームによって開発された」「顧客が~できるようにする」「注文を追跡する」「より簡単に」と前から処理します。きれいな日本語に直す必要はありません。英文を見た順番に意味が理解できれば十分です。
返り読みを減らす練習3:サイトトランスレーション
スラッシュを入れた英文を、意味のかたまりごとに前から日本語にしていきます。
Because of increased demand / we have extended / our business hours.
なら、「需要増加のため / 延長しました / 営業時間を」くらいで構いません。普通の和訳なら「需要が増加したため、当社は営業時間を延長しました」となりますが、サイトトランスレーションでは自然な日本語に並べ替える必要はありません。目的は、英語を前から読んで、その場で意味を取ることです。
返り読みを減らす練習4:同じ英文を「戻らず」に読む
一度解いたPart 7を使って練習します。まず普通に問題を解き、次に知らない単語、文構造、内容を確認します。その後、もう一度本文を読みます。このとき「一度読んだ場所には戻らない」というルールを決めます。
最初は多少理解が浅くなっても構いません。前へ進み続けることで、「自分はどこで戻りたくなるのか」も分かってきます。そこが語彙なのか、構文なのか、長い修飾なのかを確認すれば、弱点も見つけやすくなります。
返り読みを減らす練習5:音声を聞きながら英文を読む
音声を使った練習も有効です。音声は自分を待ってくれません。前から一定速度で進んでいくため、自然に返り読みができなくなります。
最初からシャドーイングをする必要はありません。まずは音声を聞きながら英文を目で追うだけでも構いません。慣れてきたら、「音声を聞きながら、その場で意味を理解する」ことを意識します。
200語前後の英文で「戻らず読む」練習をしよう
返り読みを減らす練習には、200語前後のPart 7本文が使いやすいでしょう。最初から速度だけを追う必要はありません。まず「200語を一度も前に戻らず最後まで読む」ことを目標にします。慣れてきたら時間を測ります。
| 200語を読む時間 | WPM |
| 2分00秒 | 100 WPM |
| 1分49秒 | 約110 WPM |
| 1分40秒 | 120 WPM |
| 1分32秒 | 約130 WPM |
| 1分26秒 | 約140 WPM |
| 1分20秒 | 150 WPM |
現在2分かかっているなら、いきなり1分20秒を目指す必要はありません。まず2分00秒 → 1分50秒前後 → 1分40秒と少しずつ短縮します。ただし、速く読むために内容理解を犠牲にしてはいけません。意味を理解しながら、返り読みを減らして速度を上げることが重要です。
本文に戻ること自体は悪くない
「返り読みを減らす」というと、一度読んだ場所には絶対に戻ってはいけないと思うかもしれません。そうではありません。TOEIC Part 7では、設問を解くために本文へ戻ることは必要です。
例えば、What is indicated about the new service? という設問を見て、本文中の該当箇所を探し、正解の根拠を確認する。これは問題ありません。
減らしたいのは「英文の意味が取れないので、同じ文を最初から何度も読む」という読み戻しです。一方で、「設問の根拠を確認するため、必要な箇所だけ読み直す」ことは、むしろPart 7では必要な読み方です。
最終的には、「理解するための返り読み」を減らし、「根拠を確認するための読み戻し」だけにすることを目指します。
返り読みが減るとPart 7の「塗り絵」対策にもなる
返り読みを減らす目的は、単にWPMを上げることではありません。Part 7で使える時間を増やすことです。公式問題集12のTEST 1・TEST 2では、Part 7本文は平均約3,100語ありました。
これだけの英文を読む中で、一文ごとに少しずつ戻っていれば、その時間が積み重なります。
反対に、主語と動詞を早く見つける、意味のかたまりで読む、英語の語順で理解する、分からない部分が少しあっても前へ進む、ことができれば、一文あたりの処理時間を短くできます。
その結果、最後の問題まで到達しやすくなります。
Part 7で最後の15~25問が塗り絵になる人は、まず「速く読もう」とする前に、自分がどれくらい返り読みをしているかを確認してみるとよいでしょう。
まとめ:返り読みをゼロにするのではなく、「理解のための読み直し」を減らそう
TOEIC Part 7を読むのが遅い原因の一つが返り読みです。ただし、本文に戻ること自体が問題なのではありません。減らしたいのは、英文の意味が一度では取れず、同じ文を何度も読み直すことです。
- 主語と動詞をつかむ
- 意味のかたまりで読む
- スラッシュリーディングをする
- サイトトランスレーションで前から理解する
- 同じ英文を戻らずに再読する
- 音声を使って一定速度で読む
まずは公式問題集の200語前後の英文を使って、「一度も前に戻らず、内容を理解しながら最後まで読む」ことから始めてみましょう。
返り読みが減ると、英文を読むスピードが上がるだけでなく、Part 7で設問を考えるための時間も確保しやすくなります。
最終的には、理解のための返り読みを減らし、設問の根拠を確認するために必要な箇所だけ読み戻すことが、Part 7を効率よく解くための理想的な読み方です。

