TOEICの英単語集で挫折した方に朗報!単語集を使わない効果的な覚え方
英単語集は最初に絶対やるべきか?
ネット上でTOEICの勉強法を調べると、多くのTOEICの講師・指導者や学習者が「最初は単語集で単語を覚える」ことを勧めています。
中には、TOEICの勉強では、「単語を最初に覚えなければいけない」と断定されているような方もいます。
単語を覚えて、文法を学んでから次に進むというのは、正攻法で合理的な英語の勉強法のひとつには違いはありません。
しかし、TOEICの単語集をやらなければTOEICのスコアはアップしないのでしょうか?
最初に誤解しないように申し上げれば、単語集で単語を覚えるということができる方は、その方法で始めればいいと思います。
単語力・語彙力のベースを作っておくことは、確実に英語力の底上げにつながります。語彙力をつけることが、TOEICのリスニング、リーディングのスコアアップにつながることに異存はありません。
TOEIC学習者の間でも定評のある英単語集「DUO 3.0」が自分に合うのであれば、それをやればいいです。
あるいは、TOEICに特化した単語集の「新TOEIC TEST 出る単特急 金のフレーズ」、「TOEIC TEST英単語スピードマスター」、「新TOEIC R TEST 出る順で学ぶボキャブラリー990」などが気に入ればそれで覚えていけばいいでしょう。他の単語集がいいと思えばそれをやればいいわけです。
単語集で覚えられない人は実は多い
世の中には単語集で単語を覚えられない方が多くいます。
単語集を買ってきて始めてみたけど、数日で挫折してしまう人は珍しくないでしょう。
特に大学受験の英語の勉強から長期のブランクのある社会人にとって、単語集は難敵だと思います。
年のせいもあって、記憶が落ちてきていると感じたりして、ますます英語に対して自信を無くしてしまう危険性があります。
TOEICの勉強で一番避けなければいけないのが、継続できなくなることです。
せっかく英語の勉強を再開したにもかかわらず、単語集でつまずいてしまっては元も子もありません。
もしTOEIC向けに英語の勉強を再開して、単語集を買ってやろうとして挫折したのなら、いったん単語集を脇に置きましょう。
ややスピードは落ちるかもしれませんが、「単語集に頼らない方法でボキャブラリーを増やすこと」はできます。
単語を覚えるときに最も大切なことは?
ここで、単語を覚えることについておさらいしましょう。誰もが経験しているように英単語を1回だけ覚えたても忘れてしまいます。
時間をおいて繰り返し覚えることをしなければ、記憶は定着しません。少ない回数で覚えられないのは、記憶する能力がないのではなく、人間の脳の自然な働きのひとつです。
したがって、「若くないから覚えられない」、「自分は忘れやすい」ということで悩む必要はありません。「忘れる」ことは、前提条件として考えてもらって全く問題はありません。そうです、「忘れるのはあたりまえのことなのです」。
では、単語を覚えるにあたって何が重要か?
『繰り返すこと』
です。同じ単語に接触する回数を上げれば確実に定着率が上がってきます。
これ以外にもイメージ化やビジュアル化、何かほかのものと連想して覚えるという方法もあります。
ただし、これができる人はいいですが、一般の人にとって覚える単語すべてをイメージ化、ビジュアル化していくのは正直きつい作業だと思います。人によっては、イメージ化することにすごく時間がかかることもあるでしょう。
いいイメージがなかなか浮かばないことがあるでしょう。本来の目的は単語を覚えることなので、簡単にイメージ化できないのであれば、無理にする必要はありません。(※ちなみに私はこうした暗記方法は得意ではないのでやりません。)
単語の暗記・記憶において、一番単純で重要なことは、「繰り返すこと=接触する回数を増やすこと」で、この繰り返しを基本に取り入れていけばいいと考えます。
まとめますと、
- 忘れるということを人間の自然なメカニズムであるので心配する必要はない。
- 繰り返し接触する回数を増やせば、覚える率が上がる。
です。
具体的に何をどのように使ってTOEICの単語を覚えるか?
市販の単語集に頼らないひとつの方法があります。そのひとつとしてTOEICの公式問題集を解きながら単語を覚えていくやり方をお勧めいたします。
具体的には、TOEICの公式問題集のリスニングパートの問題をやりながら覚えていく方法です。
なぜ公式問題集をやり、その中でもリスニングパートからやるのがいいかは以下の理由からです。
- TOEIC公式問題集はTOEICによく出る単語・語彙が豊富。
- TOEICでスコアを上げるのが第一目的なら、公開試験と問題傾向が最も近いTOEIC公式問題集の単語を覚えたほうが効率がいい。
- リスニングの英文のほうがリーディングに比べて簡単である。文法力に自信がなくても、単語を意味がわかれば読んで理解できる文が多い。
- 音声CDを一緒に使うことで、目で見るだけでなく、耳からも音声を入れて覚えることができる。
- 見て覚える、聞いて覚えることができるので、見て覚えるだけよりも記憶に残りやすい。
TOEIC公式問題集に含まれる単語・語彙数
TOEIC公式問題集のVol4 TEST1のリスニングパートであるPART1~4まででどれくらい単語(解説中にある単語・熟語・表現も含む)があるか数えました。
【TOEIC公式問題集Vol4 TEST1の単語・熟語・表現数】
PART1 約60
PART2 約50
PART3 約100
PART4 約160
合計 約360
ひとつの模試セットのリスニング部分だけでも、単語数(熟語・フレーズ含む)にして約360あることになります。
TOEICに直結した単語がこれだけあるということは、意外と多いと思いませんか?9割程度意味がわかるレベルまでを目指すのがいいでしょう。
またTOEICはマークシートなので正確な綴りは必要ありません。英単語を見て、意味が大体わかればOKです。紙に何度も書いて覚える必要はありません。単語を見たり、聞いたりして意味がわかればTOEICに関しては十分です。
まずは公式問題集の問題を解いて、間違えたところ、聞き取れなかったところ、知らなかった単語を確認すること。
そして、数回は同じ問題を繰り返し解いて単語を覚えていくことを提案いたします。
問題文を何度も聞いていると、何の話かは自然と覚えてきます。その中に出てくる単語や表現は問題文の前後関係と結びつけて覚えられますのでより記憶に残りやすくなります。
まとめ
以上に書きましたように、単語集に挫折したからといってあきらめる必要はありません。単語集で単語を覚えるのが苦手であれば、あえてする必要はありません。単語集を最初にやらなくても単語力をつけることはできます。
実をいうと、私は、「単語集は使わない英語学習者」です。それでもTOEIC990点満点を何度も取っています。これまで指導してきた方々の多くも単語集は使わずにスコアを伸ばしてきました。(※本音を言うと、みなさん途中で挫折したのですが………)
TOEICの単語を増やす方法としてひとつの例をして上げましたが、TOEIC公式問題集のリスニングパートの問題を繰り返し解くことでも十分にボキャブラリーは強化されていきます。単語を増やすだけでなく。TOEICで要求されるリスニング力もついてきます。
英語学習のブランクの長い人は、最初は負担の少ない練習で継続できるものを選ぶべきでしょう。
継続こそ力なりです。続けられることから始めましょう。