TOEICの英単語・語彙対策で絶対意識すべきコロケーションとは?
単語や語彙を一生懸命覚えているんだが、TOEICの単語・語彙問題が解けるようにならない。覚えても解けない理由がわからない。
その原因のひとつに、コロケーションを意識して覚えていないことが考えられます。
とくにTOEICの単語・語彙問題は、このコロケーションの知識を試すものが多いです。
やみくもに単語数を増やすよりも、TOEICに頻出する単語・語彙を中心に、コロケーションを意識して重点的に覚えたほうがはるかに効果的であると考えます。
コロケーション(Collocation)とは?
「単語同士のよく使われる組み合わせ、自然な組み合わせ・つながり」を意味するものです。複数の単語が自然な形で一緒に使われるといってもいいでしょう。単語同士の相性。日本語で共起表現、連語などとも呼ばれます。
日本語のコロケーション事例
イメージしやすいように具体的な例を日本語で取り上げましょう。
例えば、名詞の「靴」「服」「帽子」を身につける場合、組み合わせる日本語の動詞は何になるでしょうか?
「靴」なら「履く」、「服」なら「着る」、「帽子」なら「かぶる」が自然な日本語の組み合わせです。
しかし、英語では、 「靴(shoes)」「服(clothes)」「帽子(hat)」は、すべてput on(身につける【動作】)やwear(身につけている【状態】)で、対象を区別しません。
「靴を履く」、「服を着る」、「帽子をかぶる」というのは日本語のコロケーションの事例と言えます。
※逆の動作はすべて「脱ぐ」を使うのが不思議なところですが、それがまさに言葉というものなのでしょう。
英語のコロケーション事例
よく使われる例ですが、日本語では、「雨」や「風」に対して 「強い雨」、「強い風」というのは自然な言い方です。これに対して、英語では wind には、 strongでstrong wind、 rain には、heavy を前においてheavy rainの並びが自然な言い方です。
単語の日本語的な意味からstrong rainとしてもよさそうですが、コロケーションの知識があればこうした表現が不自然であることがわかります。
コロケーションの知識が役に立つTOEICの単語・語彙問題
TOEICにおいてもコロケーションの知識はとても役に立ちます。TOEICは、難解な単語力・語彙力を試すというよりも、基本的な単語の自然な使い方の知識を試しているといってもいいでしょう。
例えばPART5の単語・語彙問題(文法問題も)は、コロケーション知識で解けるものが多く含まれます。
「TOEIC PART5の単語・語彙問題では、問題文を頭から読まなければならない」というアドバイスがありますが、コロケーションの知識さえあれば「空所前後を見るだけで選択肢から選べる」問題が結構あります。
どのようなケースか事例をあげましょう。
place an order
「注文する」はorder単体でもいいですが、動詞と名詞の組み合わせでは通常place an order。
placeは名詞で「場所」、動詞で「置く」が基本の意味なので、日本語的な発想からは、なぜorder(注文)と一緒に使われるかは理解しがたいですが、このペアが英語の自然な組み合わせです。
空所前後を見て解く方法ですが、TOEIC PART5の単語・語彙問題で、空所の前後がto ______ an orderとなっていて、選択肢の中にplaceがあったら、非常に高い確率でplaceが正解になるということです。
空所前後付近に選択肢の中の単語と結びつきの高い、よく使われる単語があれば、ほぼ正解と思ってよいでしょう。
こうしたコロケーションに慣れておくと、単語の流れが自然に感じることができます。そのため、空所の前後付近を読んだだけで正解を高い確率で選べることができるようになります。
時間に余裕のないTOEICのリーディングパートにおいて、「時間短縮できる問題は、そのような方法で解く」ことがスコアを短期で上げる秘訣です。
単語・語彙問題だからといって決して「すべてを文頭から読んで時間をロスしないこと」、これが大切です。
TOEICで重要なコロケーションの具体例
【動詞+名詞】パターン
●conduct an interview
「面接を行う」という意味でTOEICに出てくるのはほぼ、conduct an interviewです。conductとinterviewは相性のいい単語です。自動詞でinterviewでもOKですが、TOEICは動詞と名詞の組み合わせがよく出ます。
TOEICでは、conductの他のコロケーション例として、conduct a survey(調査を実施する)、conduct a research(リサーチを行う)などがあります。
●make an appointment
「約束をする」ならmake an appointment。「する」なら「do」でもよさそうですが、do an appointmentという使われ方はしません。
●meet a requirement (meet the requirements for~)
「条件を満たす、必要条件に合う」という意味でよく使われるペアです。meet以外には、fill、fulfill、 satisfyも「満たす」という意味で一緒に使われます。
●earn a reputation
earnは、「お金を得る」という意味もありますがreputation(評判)と一緒に使われて「評判を得る」という意味もあります。またrespect(尊敬)とともにearn respect(尊敬を勝ち取る)という使われ方もありあす。
【動詞】+【副詞】パターン
●drop sharply
「急落する」という意味で使われます。他にdropと相性のいい副詞は、considerably(かなり)、 dramatically(劇的に)、significantly(著しく)などがあります。
●function properly
機械などが正常にする場合、function properly(正常に動作・機能する)という使われ方をします。functionの後が空所で副詞を選ぶ場合、 properlyがあれば正解である可能性が極めて高い。properlyに似たものとして、correctly, normallyがあります。
●object strongly
動詞のobject(反対する)の場合、「強く反発する」という意味で使われます。
【副詞】+【形容詞】or【動詞の過去分詞】
●moderately priced
「手頃に(適切に)価格の付けられた」という意味。同じような意味でaffordably pricedもあります。
●highly probable
「可能性は極めて高い」という意味。it is highly probable that ~で「(that以下)である可能性は極めて高い」。highly は、他にhighly skilled(非常に熟練した)、highly appreciated(高く評価されている)などの使われ方もあります。
●conveniently located
「便利な場所にある」というのはconveniently located。conveniently(副詞:便利に…コンビニはconvenienceコンビニエンスという名詞を日本語に短縮してつけたもの)とlocated(形容詞:位置して)がコロケーションとして使われています。
【名詞】+【形容詞】パターン
●reliable service
「信頼できるサービス」という意味。reliableはTOEIC頻出で、reliable source(信頼できる源[情報源・出所・供給源など])もあります。
●prior approval
「事前承認」の意味で使われます。priorは「先の、事前の」という意味。他にprior registration (事前登録)もあります。priorには、prior to~で「~より前に」というイディオムもあります。
●exclusive contract
「独占契約」の意味で使われます。contract(契約)の前に空所があって、選択肢にexclusive(独占的、排他的)があれば、きわめて高い確率でexclusiveが正解となります。exclusive agreement(独占的協定)、exclusive right(独占権)のような例もあります。exclusiveは契約、権利関係でよく使われる単語なので、TOEICで契約、権利に関連するトピックの文が出たら正解のにおいがプンプンします。
まとめ
コロケーションのイメージはつかめましたでしょうか? 2~3語のセットで実際の使われ方を覚えおくとTOEICのPART5では、かなり有利になります。
選択肢と空所の前後を見て自然な流れになる単語を選べるようになるので解答時間を短縮できます。コロケーションに慣れてくると正解が感覚的に選べるようになります。
PART5以外でもコロケーション的な単語・語彙知識があると、フレーズ単位で理解することができるので、リスニングやリーディングの読解においても楽になるはずです。
ぜひTOEICの単語・語彙を勉強するときにはコロケーションを意識して下さい。