TOEIC600点は就職・転職で有利?評価される企業・職種を解説

「TOEIC600点を取れば就職や転職で有利になるのか」「履歴書に600点と書いても評価されるのか」と気になっている方は多いのではないでしょうか。

これまで、TOEIC600点を目標にする方を多く指導してきました。転職をきっかけに学習を始める方だけでなく、入社後に会社から600点取得を求められた方や、将来の異動・昇進に備えて600点を目標にする方もいます。


また、よくあるケースとして、海外部門とのやり取りが増えたことをきっかけに600点を目標にする方や、将来の異動・昇進に備えて「まず600点を取っておきたい」と学習を始める社会人もいます。

新卒就活でも、「英語が必要な職種に限定しているわけではないが、履歴書で英語力を示せる材料がほしい」という理由で600点を目標にする学生は珍しくありません。


こうした例からも分かるように、TOEIC600点は「高い英語力を証明する最終目標」というより、就職・転職や社内で英語力を示すための入り口として使われやすいスコアです。

実際、IIBCの就活向けデータでは、企業・団体の約7割が採用時にTOEICスコアを要件・参考としている、または今後その可能性があると回答しており、社員に期待するスコアは平均500〜600点台とされています。

この記事では、TOEIC600点が就職・転職でどの程度評価されるのか、どのような企業・職種で活かしやすいのか、600点では不足しやすい仕事、さらにその先に700点・730点を目指すべきかまで整理して解説します。

結論:TOEIC600点は「英語力をアピールし始められる」スコア


TOEIC600点は、それだけで就職・転職が大きく有利になるほどの高得点ではありません。しかし、英語力を履歴書でアピールし始めるひとつの目安としては十分に意味のあるスコアです。

特に、英語が主業務ではないものの、英文メールや資料確認、海外拠点との連絡などが一部発生する仕事では、600点が評価材料になることがあります。

一方、外資系企業や海外営業など、英語を日常的に使う仕事では600点では十分でない場合もあります。

つまり、TOEIC600点は「どこでも有利になる万能なスコア」ではなく、英語力を評価してもらえる求人の幅が広がり始めるスコアと考えるとよいでしょう。

TOEIC600点は履歴書に書いていい?

TOEICには「○点以上でなければ履歴書に書いてはいけない」という決まりはありません。そのため、600点はもちろん履歴書に記載できます。

特に600点台になると、英語を継続して学習してきたことを客観的な数字で示しやすくなります。

履歴書には、例えば次のように記載できます。

20XX年○月 TOEIC Listening & Reading Test 600点

一方で、求人票に「TOEIC700点以上必須」などと明記されている場合は、600点を持っているだけでは応募条件を満たしません。

「履歴書に書けるか」と「その求人で評価されるか」は別の問題として考えることが大切です。

TOEIC600点はどのくらいの英語力?

TOEIC600点は、基礎的な語彙・文法を身につけ、一定量の英文や英語音声を理解できる力を示すひとつの目安です。

なお、TOEIC Listening & Reading Testはリスニングとリーディングを測定する試験です。そのため、600点を取得しているからといって「英語で商談ができる」「外国人と問題なく会話できる」とまでは言えません。

就職・転職では、TOEICスコアに加えて、英語を実際にどのような場面で使えるのかも重要です。

TOEIC600点が評価されやすい企業・職種


では、600点は具体的にどのような仕事で評価材料になりやすいのでしょうか。代表的な例を見ていきます。

一般企業の営業・事務職

英語を必須としない一般企業でも、海外取引や英文資料が一部ある会社では600点がプラス材料になる場合があります。

例えば、海外からの簡単なメールを確認する、英文資料を読む、海外部署との連絡を一部担当するといった業務です。

英語を主業務としない仕事であれば、600点でも「基礎的な英語力がある」ことを示す材料として活用しやすいでしょう。

メーカー

メーカーは、国内企業でも海外拠点や海外工場、輸出入、海外顧客との取引を持つケースが多いため、英語力が評価されることがあります。

国内業務が中心の職種でも、将来的な海外部門への異動や海外とのやり取りを想定してTOEICスコアを参考にする企業があります。

その一方で、海外営業など英語を頻繁に使う職種では、700〜800点以上など、さらに高いスコアを求められる場合があります。

航空会社・客室乗務員(CA)

航空会社もTOEICスコアが採用時の英語力の目安として使われてきた業界のひとつです。

ANAの過去の客室乗務職募集では「TOEIC600点程度以上の英語力」が条件として示された例があります。

また、航空会社によって基準は異なり、スカイマークでは現在の募集で英検2級またはTOEIC公開テスト500点程度以上を望ましい水準として示している例もあります。

そのため、国内航空会社のCAなどを目指す場合、600点は意味のある目標のひとつです。加えて、接客では実際のスピーキング力やコミュニケーション能力も重要になります。

ホテル・観光業界

ホテルや観光業界では、外国人旅行者への対応で英語を使う機会があります。

TOEIC600点は英語学習の実績として評価材料になる可能性がありますが、チェックインや案内、問い合わせ対応では実際に話す力も求められます。

そのため、ホテル・観光業界では「TOEIC600点+英会話力」という組み合わせを意識するとよいでしょう。

事務・バックオフィス

事務職でも、英文メール、海外拠点との連絡、輸出入書類、英文資料の確認などを担当する場合があります。

600点が必須条件でなくても、応募者の経験やスキルが近い場合には、TOEICスコアがひとつの差別化材料になる可能性があります。

TOEIC600点では足りないことが多い仕事

600点が評価材料になる仕事がある一方で、より高い英語力が求められる職種では十分でない場合があります。

外資系企業

外資系企業だから必ず高いTOEICスコアが必要というわけではありません。しかし、社内会議や資料、上司・同僚とのコミュニケーションを英語で行うポジションでは、600点では弱い場合があります。

このような仕事では、700〜800点以上のスコアに加えて、実際のスピーキング力や英語での業務経験が重視されることがあります。

海外営業

海外営業では、英文メールだけでなく、商談、会議、プレゼンテーション、交渉などを英語で行う可能性があります。

そのため、600点をスタート地点として、700〜730点、さらに必要に応じて800点以上を目指しながら、スピーキング力も伸ばしていく方が現実的です。

英語を日常的に使うグローバル職

英語を社内公用語としている企業や、海外メンバーとの会議が頻繁にある仕事では、TOEICの点数だけではなく、実際に英語で仕事を進められるかが重要になります。

このような職種では、600点を取得した後も学習を継続する必要があるでしょう。

新卒就活と転職ではTOEIC600点の意味が少し違う

新卒就活の場合

新卒採用では、まだ実務経験が少ないため、TOEICスコアや資格、大学での学習、留学経験などが能力を示す材料になりやすい傾向があります。

IIBCの就活向けデータでも、企業・団体の約7割が採用時にTOEICスコアを要件・参考としている、または今後その可能性があるとされています。

そのため、600点を取得していれば、学生時代に英語学習に取り組んだことを数字で示す材料として活用できます。

中途転職の場合

中途採用では、TOEIC600点そのものよりも、これまでの職務経験や実績が中心になります。

例えば、同じ600点台でも「海外顧客との英文メール対応を担当していた」「海外拠点との会議に参加していた」といった実務経験があれば、スコアだけを提示するより説得力が高まります。

転職では、TOEICスコアを単独でアピールするのではなく、自分の経験と組み合わせて伝えることが重要です。

企業が入社後にTOEIC600点を求めるケースもある

TOEICは採用時だけでなく、入社後の昇進・異動・研修などで使われることもあります。

当スクールで指導した方の中にも、転職時には600点に届いていなかったものの、入社後に会社から目標スコアとして600点を示され、あらためてTOEIC対策を始めたケースがありました。

仕事をしながらの学習になるため、期限から逆算して受験日を決め、弱点分野を優先して対策することが重要になります。

このようなケースでは、「入社できたからTOEICはもう必要ない」と考えるのではなく、会社が求める期限や基準から逆算して学習計画を立てることが重要です。

また、海外部門への異動候補になったことをきっかけにTOEICを勉強するケースや、将来の昇進条件に備えて600点を目指すケースも考えられます。

TOEIC600点を取ったら次は何点を目指す?


600点を取得したあと、さらに就職・転職の選択肢を広げたい場合は、次の目標として700〜730点を設定するのがひとつの方法です。

おおまかなイメージは次の通りです。

スコア就職・転職での考え方
600点基礎的な英語力を履歴書でアピールし始めやすい
700点前後英語力を条件・歓迎条件とする求人の選択肢が広がる
730点以上海外営業・貿易・外資系などでもアピール材料になりやすい
800点以上より高い英語力を求める求人で強みになりやすい

もっとも、転職が目的であれば、必要以上に高得点を取ること自体がゴールではありません。

応募したい求人が600点を条件としているなら、まず600点を取る。その後、希望する職種に応じて700点・730点・800点へ進むという考え方で十分です。

TOEIC600点を短期間で目指すには?

600点を目標にする場合、すべての分野を同じように勉強するより、自分の弱点と600点に必要な頻出項目を優先することが重要です。

特に基礎文法に弱点がある人は、Part 5の頻出分野を優先すると学習しやすくなります。

品詞

動詞

前置詞

接続詞

代名詞

関係詞

また、リスニングではPart 2を中心に音読、シャドーイング、オーバーラッピング、必要に応じてディクテーションなどを取り入れる方法があります。

リーディングでは、75分経過時点で何問残っているかを毎回記録し、時間内に解けなかった問題はその後に時間制限なしで解いてみると、時間不足なのか実力不足なのかを切り分けやすくなります。

600点を目指す段階では、文法書を最初から最後まで完璧にすることより、頻出分野と公式問題を中心に実戦的に対策することが大切です。

まとめ:TOEIC600点は就職・転職の「入口」として意味がある

TOEIC600点は、それだけで就職・転職が大きく有利になる高得点ではありません。しかし、英語力を履歴書で示し始めるスコアとしては十分に意味があります。

一般企業、メーカー、航空、ホテル・観光、英語を一部使う事務職などでは、600点が評価材料になる可能性があります。

一方、外資系企業や海外営業など英語を日常的に使う仕事では、600点をスタート地点として700点・730点・800点以上を目指したり、実際のスピーキング力を伸ばしたりする必要があります。

また、採用時には600点を持っていなくても、入社後に会社から取得を求められるケースもあります。

まずは応募したい企業や職種がどの程度の英語力を求めているのかを確認し、その条件から逆算して目標スコアを決めましょう。

TOEIC600点はゴールではありませんが、就職・転職やその後のキャリアの選択肢を広げるための、現実的で価値のある第一歩です。

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参考情報

IIBC「データでみるTOEIC Tests|就活サポート特集」

ANA「客室乗務職 採用情報(過去の募集例)」

スカイマーク「採用情報」

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