TOEIC Part 1対策|公式問題集・過去問120問を分析してわかった頻出単語と解き方

「Part 1は写真を見れば解けるはずなのに、なぜか簡単な問題を落としてしまう」。そんな悩みを持つ受験者は少なくありません。

写真の内容が理解できていても、その状況を英語でどう表現するかを知らなければ、正解の英文を聞き取ることはできません。

本記事では、公式問題集Vol.8〜12のPart 1・60問と、過去問題集5(韓国ETS TOEIC 定期試験既出問題集5) のPart 1・60問、合計120問から抽出した重要単語・表現を独自に集計しました。

感覚的な「よく出る単語」ではなく、実際の問題データをもとに、600点を目指す人がPart 1で優先して覚えるべき語彙、人物あり/人物なし写真の見方、消去法の使い方まで整理します。

この記事のポイント ・Part 1は「写真を見る力」より「写真を英語で表現する語彙力」が重要 ・120問の集計では stack 11回、reach for 8回、lean against 7回など、頻出語に明確な偏りがある ・人物あり写真は「主語+動作」、人物なし写真は「物+配置・状態」に注目する ・600点目標なら、まず6問中4問以上、できれば5問を安定させることを目標にする ・5〜6問が安定したら、Part 2〜4に学習時間を回した方が全体の得点を伸ばしやすい

TOEIC Part 1は6問だけ|600点目標ならまず4問、できれば5問を目指す

TOEIC ListeningのPart 1は写真描写問題で、全部で6問です。1枚の写真を見ながら4つの英文を聞き、写真の内容を最も正確に表している英文を1つ選びます。

600点を目指す場合、Part 1ではまず6問中4問以上、できれば5問正解を安定させることを学習上の目標にするとよいでしょう。

これは「4問正解すれば600点になる」という意味ではありません。TOEICは単純な正答数=スコアではないため、あくまでPart 1学習の目安です。

Part 1は比較的対策しやすい一方で、6問しかありません。5問、6問をコンスタントに取れるようになった後もPart 1だけを完璧にしようとすると、学習時間に対して得られる効果は小さくなります。

その段階では、問題数の多いPart 2、Part 3、Part 4の対策に時間を回した方が、Listening全体のスコアを伸ばしやすくなります。

Part 1で簡単な問題を落とす原因は「表現を知らない」こと

Part 1でよくある失敗は、「写真を見れば状況は分かるのに、英文を聞いた瞬間に判断できない」というものです。原因は、写真の理解ではなく英語表現の不足にあることが多いです。

たとえば、reach for(〜に手を伸ばす)lean against(〜にもたれる/〜に立てかけられている)be covered with(〜で覆われている)などは、意味を知っていれば写真とすぐ結びつきますが、知らなければ写真を正しく見られていても選べません。

そのためPart 1では、難しい単語を幅広く覚えるより、「人の動作」「物の状態」「物の配置」を描写する頻出語を優先して覚える方が効率的です。

公式問題集・過去問120問を集計すると、頻出語にははっきり偏りがある

今回の分析対象は、公式問題集Vol.8〜12のPart 1・60問と、過去問題集5のPart 1・60問の計120問です。作成した重要単語・表現リストには599件、表記ベースで371種類の語句が含まれています。

集計方法

出現回数は、120問から作成した「重要単語・表現リスト」にその語句が登場した回数です。

正解選択肢だけではなく、学習上重要と判断して抽出した誤答選択肢の語句も含みます。したがって、この数字は「正解になった回数」ではなく、「Part 1の選択肢で遭遇しやすい語句の目安」です。

また、ランキングでは品詞を分けています。たとえば empty はリスト全体では3回ですが、動詞「空にする」が2回、形容詞「空の」が1回です。

動詞ランキングでは2回として扱います。同様に display や pile など、名詞・動詞の両方で使われる語も用法ごとに分けています。

頻出動詞TOP20

順位単語・表現回数意味発音メモ
1stack11積み重ねる 
2install6設置する、取り付ける 
2remove6取り除く、外す 
2repair6修理する 
5carry5運ぶ 
5place5置く 
5ride5乗る 
5sweep5掃く 
9arrange4並べる、配置する 
9display4陳列する 
9plant4植える 
12assemble3組み立てる 
12board3乗り込む、搭乗する 
12climb3登る★ b は発音しない
12hold3持つ、〜の状態にしておく 
12inspect3調べる、点検する 
12load3積み込む 
12park3駐車する 
12pile3積み重ねる 
12replace3交換する 

上位を見ると、stack / install / remove / place / arrange / display など、物の配置や状態を表す動詞が非常に多いことが分かります。

「人が何をしているか」だけでなく、「物がどう置かれているか」「何が設置されているか」を聞き取る力がPart 1では重要です。

頻出名詞TOP20

順位単語・表現回数意味発音メモ
1vehicle7車両★ 発音注意
2bin5容器、ごみ箱 
2path5小道、通り道 
4beverage4飲み物★ 第1音節を強く
4container4容器 
4garage4車庫、ガレージ★ 米英で発音差
4light fixture4照明器具 
4shelf4★ 複数形 shelves の音にも注意
9counter3カウンター 
9doorway3出入り口 
9floor3 
9patio3テラス、中庭 
9potted plant3鉢植えの植物 
9railing3手すり、柵★ railing / raining を混同しない
9refrigerator3冷蔵庫★ 長い語なので音のまとまりに注意
9suitcase3スーツケース 
9tray3トレイ、盆 
9walkway3歩道、通路 
9water bottle3水筒、ボトル 
9windowpane3窓ガラス 

一般的なTOEIC語彙学習では後回しになりやすい bin、railing、walkway、windowpane、light fixture といった語がPart 1では何度も登場しています。

つまり「TOEIC全体の重要単語」と「Part 1で優先したい写真描写語彙」は必ずしも同じではありません。

頻出表現TOP20

順位単語・表現回数意味発音メモ
1reach for8〜に手を伸ばす 
2lean against7〜にもたれる/〜に立てかけられる 
3set up5設置する、設営する 
4be covered with4〜で覆われている 
5hang from3〜からぶら下がっている 
5hang up3掛ける 
5hold up3持ち上げる、掲げる 
5put on3身につける 
5wipe down3拭き掃除する 
10be lined up2一列に並んでいる 
10bend over2かがむ 
10each other2お互いに 
10in front of2〜の前に 
10lean over2身を乗り出す、かがむ 
10line up2一列に並べる 
10pay for2〜の代金を支払う 
10pick up2手に取る、持ち上げる 
10plug in2電源につなぐ 
10roll up2巻き上げる 
10search through2〜をくまなく探す 

Part 1は単語だけでなく、reach for や lean against のような「写真をそのまま一つの動作・状態として表すまとまり」で覚えることが重要です。

単語帳で reach と for を別々に覚えるより、reach for = 「〜に手を伸ばす」と一気に意味が出る状態を目指しましょう。

写真は「人物あり」と「人物なし」に分けて考える

人物あり写真:まず主語と動作に注目する

人物あり写真は、人物なし写真に比べて対策しやすい傾向があります。同じ人物を主語にした選択肢が並ぶことが多いため、「誰が」「何をしているか」を聞き分ければ正解を絞りやすいからです。特に手の位置、顔の向き、持っている物、歩いているのか立っているのかなどを確認します。

ただし、人物が写っているからといって人物が主語になるとは限りません。机、棚、道具など、写真内の物を主語にした英文が正解になることもあるため、「人物だけを見る」のは避けましょう。

人物なし写真:名詞+配置・状態の表現がカギ

人物がいない写真では、建物、道路、家具、棚、商品などの名詞を知っているだけでは不十分です。

「どこにあるか」「どのように置かれているか」「何で覆われているか」といった配置・状態の表現を聞き取る必要があります。

今回の集計でも、lean against、be covered with、hang from、be lined up など、物の位置や状態を表す表現が何度も登場しました。

人物なし写真が苦手な人ほど、こうした表現を優先的に覚えると効果的です。

写真事例1|人物あり:動作の違いを聞き分ける


人物あり写真の練習例

(A)They’re facing each other. 彼らは向かい合っています。
(B)They’re shaking hands with each other. 彼らは互いに握手をしています。
(C)They’re looking at a computer screen. 彼らはコンピューターの画面を見ています。
(D)They’re walking through the office. 彼らはオフィスの中を歩いています。

正解:(A) They’re facing each other. 2人は互いの方を向いています。ほかの選択肢も主語はすべて They’re で同じなので、facing / shaking hands / looking / walking の動作部分を正確に聞き分ける必要があります。

このタイプでは、音声が始まる前に「2人が立っている」「向かい合っている」「何かを持っている」と写真から候補を予測しておくと、聞き取りやすくなります。

写真事例2|人物なし:物の状態・配置を聞き分ける


人物なし写真の練習例

(A)Some books have been placed on a table. 何冊かの本がテーブルの上に置かれています。
(B)The curtains are being opened. カーテンが開けられているところです。
(C)Two lamps are hanging from the ceiling. 2つの照明が天井からつり下がっています。
(D)Several pictures are hanging above the window. 何枚かの絵が窓の上に掛けられています。

正解:(A) Some books have been placed on a table. 写真ではテーブルの上に本が置かれているため、写真の状態と一致します。

特に注意したいのが (B) The curtains are being opened. です。be being + 過去分詞は受動態の進行形で、「今まさに開けられている途中」を表します。

写真に人がおらず、カーテンを開けている動作が確認できないなら不適切です。「開いている状態」と「開けられている途中」を区別しましょう。

Part 1では消去法も有効|全文を聞き取れなくても正解できる

Part 1は写真が見えているため、消去法が非常に使いやすいパートです。1つ知らない単語が聞こえたからといって、その選択肢をすぐに諦める必要はありません。

消去できる典型例 ・写真の人物は立っているのに “sitting” と聞こえた → 消去 ・誰も握手していないのに “shaking hands” と聞こえた → 消去 ・天井から何も吊られていないのに “hanging from the ceiling” と聞こえた → 消去 ・車が1台もないのに “vehicle” が主語になっている → 消去

ポイントは、英文を日本語に完璧に訳してから判断するのではなく、写真と明らかに矛盾する語が聞こえた時点で候補から外すことです。残った選択肢に集中できるため、聞き逃しも減ります。

Part 1の効率的な勉強法

1.人の動作を表す動詞・表現を優先して覚える

人物あり写真では、reach for、carry、hold、pick up、bend over、lean over、wipe down など、動作を表す語句を即座に意味へ変換できるようにします。

特に reach for は今回の120問リストで8回登場しており、優先度の高い表現です。

2.人物なし写真では「物の名前」と「状態表現」をセットで覚える

vehicle、bin、path、light fixture、railing、walkway、windowpane などの名詞だけでなく、lean against、be covered with、hang from、be lined up などと組み合わせて覚えます。

「a ladder is leaning against a wall」のように、名詞と状態表現を一つの映像として覚えるとPart 1で反応しやすくなります。

3.間違えた問題は「なぜ聞けなかったか」を分類する

復習では、単に正解を確認するだけでは不十分です。「単語を知らなかった」「音として認識できなかった」「写真の見方を間違えた」「動作と状態を混同した」のどれだったかを記録します。同じ原因のミスが続いている場合、そこを集中的に補強できます。

4.5〜6問が安定したらPart 2〜4へ学習時間を移す

Part 1は短期間で伸ばしやすい一方、全部で6問です。頻出語・表現を押さえて5〜6問が安定してきたら、Part 1だけを完璧にするより、Part 2〜4の正解数を増やす学習に比重を移しましょう。600点を目指す段階では、限られた学習時間をどこに配分するかも重要です。

Part 1で発音に注意したい単語

Part 1では文字を見て意味が分かるだけでは不十分です。音声で聞いた瞬間に意味が取れる必要があります。特に次の語は、カタカナ読みとのずれや音の変化に注意しましょう。

単語意味発音上の注意
vehicle車両★ カタカナの「ビークル」だけで固定せず、実際の音声で反復する。
beverage飲み物★ 第1音節 BEV- が強く聞こえる。
garage車庫★ 米英でアクセントや語末音が異なるので、複数の発音に慣れる。
refrigerator冷蔵庫★ 長い語。中心の “frig” 付近の音を手がかりに聞く。
railing手すり★ railing と raining を聞き違えないよう l の音に注意。
climb登る★ 語末の b は発音しない。
shelves棚(複数)★ shelf の複数形は shelves。語末が /vz/ に変化する。
vegetable野菜★ 綴りどおり一音ずつ読まず、実際のまとまった音に慣れる。

最後に覚えたいPart 1重要単語・表現

120問の分析結果から、まず優先して覚えたい語句を用途別にまとめます。最初から371種類すべてを覚える必要はありません。以下の語句を、写真を見たときに瞬時にイメージできる状態にすることを優先しましょう。

分類優先して覚えたい語句
動作・作業stack / install / remove / repair / carry / place / sweep / arrange / display / plant / assemble / inspect / load / replace / wipe down
手や体の動きreach for / hold up / pick up / bend over / lean over / climb / board / put on / hang up
物の状態・配置lean against / set up / be covered with / hang from / be lined up / line up / in front of / roll up
場所・設備の名詞path / garage / doorway / patio / walkway / railing / windowpane / light fixture / counter / floor
物・商品の名詞vehicle / bin / beverage / container / shelf / potted plant / refrigerator / suitcase / tray / water bottle

市販の単語帳でPart 1語彙を学ぶのも有効ですが、実際の公式問題・過去問で出会った語句を追加し、自分専用の「写真描写語彙リスト」を作っていくと定着しやすくなります。

まとめ|Part 1は「頻出する写真描写表現」を先に覚える

TOEIC Part 1は6問と問題数は少ないものの、600点を目指すなら落としすぎたくないパートです。まず4問以上、できれば5問を安定させることを目標にしましょう。

今回、公式問題集Vol.8〜12と過去問題集5の計120問から重要語句を集計したところ、stack 11回、reach for 8回、lean against 7回、vehicle 7回など、繰り返し登場する語句がはっきり確認できました。

Part 1で重要なのは、写真をじっくり分析することよりも、「写真の状況を英語でどう表すか」を知っていることです。人物あり写真では主語と動作、人物なし写真では物の名前と配置・状態に注目し、明らかに写真と違う選択肢は消去法で除外しましょう。頻出語彙を押さえて5〜6問が安定してきたら、Part 2〜4に学習時間を広げるのが効率的です。

【分析データについて】 本記事の出現回数は、公式問題集Vol.8〜12および過去問題集5のPart 1計120問から作成した重要単語・表現リストを独自に分類・集計したものです。出版社・試験運営団体による公式の出現頻度ではありません。

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