TOEIC730点は就職・転職で有利?評価されやすい業界・職種を解説

TOEIC730点を取得すると、就職・転職ではどのくらい評価されるのでしょうか。700点台という点では700点と大きく変わらないようにも見えますが、730点には一つの意味があります。

IIBCが公開している「TOEIC L&Rスコアとコミュニケーション能力レベルとの相関表」では、730点から855点がBレベルに位置づけられています。Bレベルのガイドラインは、「どんな状況でも適切なコミュニケーションができる素地を備えている」というものです。

また、企業によっては730点を海外赴任や管理職試験などの基準・目安として利用している例があります。単なる「700点台」というだけでなく、企業の人事制度で具体的な数字として使われることがある点が730点の特徴です。

私自身、最近、国内保険大手に勤務する2名の方を指導しました。お二人とも昇格に必要なTOEIC730点を目標に学習され、最終的に目標を達成されました。企業によって基準は異なりますが、730点が実際にキャリア上の条件になるケースがあることを、指導の現場でも感じています。

この記事では、TOEIC730点が就職・転職でどう評価されるのか、700点との違い、評価されやすい業界・職種、さらに730点取得後に800点を目指すべきかまで解説します。

TOEIC730点は就職・転職で評価される?

結論からいうと、TOEIC730点は就職・転職で十分にアピールできるスコアです。

特に、英語を一部使用する企業・部署や、海外とのやり取りがある仕事では、「一定以上の英語力があること」を数字で示しやすくなります。

一方で、730点を持っていればどの企業でも有利になるわけではありません。採用では実務経験、専門性、年齢、職種との適性なども総合的に評価されます。

そのため、730点は「転職を決める魔法のスコア」ではなく、実務経験に英語力という強みを加えるスコアと考えるとよいでしょう。

730点はIIBCのProficiency ScaleでBレベル


TOEIC730点を考えるうえで押さえておきたいのが、IIBCが公開しているProficiency Scaleです。

この相関表では、TOEIC L&Rのスコア帯をA〜Eの5段階に分けており、730〜855点がBレベル、860点以上がAレベルとされています。

Bレベルについては、「どんな状況でも適切なコミュニケーションができる素地を備えている」と説明されています。また、通常会話を理解しやすく、特定分野の話題にも対応でき、業務上も大きな支障がないことなどがガイドラインとして示されています。

もっとも、これはTOEIC L&Rスコアとコミュニケーション能力の相関を示した目安です。TOEIC L&RはListeningとReadingを測るテストなので、730点を取れば英会話や英文作成まで自動的に十分になる、という意味ではありません

スコア帯レベル転職での見方の目安
600点前後Cレベル履歴書で英語力を示し始めやすい
700点前後Cレベル一定の英語力を積極的にアピールしやすい
730〜855点Bレベル企業の基準に届くケースがあり、海外関連業務も視野に入りやすい
860点以上Aレベル高い英語力を強く示しやすい

なぜ730点が企業で一つの目安になりやすいのか

730点の特徴は、単に700点より30点高いということではありません。企業の人事制度や海外業務の基準として、730点が具体的に設定されている事例があることです。

IIBCによると、TOEIC Programを活用する企業の約4割が、テストスコアを昇進・昇格の「要件」または「参考」に利用しています。

たとえば全日空商事では、総合職について入社3年目までにTOEIC L&R730点を取得することを目安とし、管理職への転換試験でも一つの基準としています。管理職では800点が取得目安です。

また、双日では海外赴任可能な英語力の基準を650点から730点へ引き上げた事例があります。

このように730点は、企業によっては「海外業務に関わるための目安」「昇進・昇格に関わる基準」として具体的な意味を持つ数字です。

指導現場でも「昇格のための730点」という目標はある

730点がキャリア上の具体的な目標になる例は、企業事例だけではありません。

最近、国内保険大手に勤務する2名の方を指導しました。お二人とも、昇格に必要なTOEIC730点を取得することが目標でした。仕事と両立しながら学習を進め、最終的に2名とも730点の目標を達成されました。

もちろん、すべての保険会社やすべての企業が730点を昇格条件にしているわけではありません。会社や職位によって基準は異なります。

それでも、転職だけでなく、現在勤務している会社での昇格・昇進を目的として730点を目指す社会人がいることは重要です。TOEICは転職時の履歴書だけでなく、社内キャリアにも利用されているからです。

TOEIC700点と730点では転職で何が違う?

700点と730点の差は30点です。英語力そのものが30点の差だけで劇的に変わるわけではありません。

しかし、求人や社内制度で「730点以上」という基準が設定されていれば、この30点には明確な意味があります。

700点では基準未達でも、730点に到達すれば応募条件や社内条件を満たせるケースがあるからです。

比較700点730点
履歴書でのアピール十分に可能より積極的に示しやすい
IIBCのレベルCレベルBレベル
企業の具体的基準企業によっては基準になる730点を基準とする実例がある
海外関連業務一部の求人・部署で視野に入る海外赴任や海外部門の基準に届く例がある

したがって、すでに700点前後を持っている方で、応募先や勤務先が730点を一つの基準にしているなら、30点を上げる価値は大きいといえます。

TOEIC730点で評価されやすい業界・職種


TOEIC730点だけで応募できる仕事が決まるわけではありませんが、英語を一部使用する職種では評価材料になりやすくなります。

メーカー・海外部門

メーカーでは、国内勤務でも海外拠点や海外取引先と関わる機会があります。

・海外子会社とのメール・会議

・海外工場とのやり取り

・英文仕様書・マニュアルの確認

・海外からの部品・原材料の調達

・将来の海外赴任候補


こうした業務では、技術・営業・生産管理・品質管理などの専門経験にTOEIC730点が加わることで、応募時の説得力が増します。

海外営業

海外営業では730点が一つのアピール材料になります。海外顧客とのメールや資料読解などでは、Listening・Readingの基礎力が役立ちます。

一方、商談、オンライン会議、交渉、プレゼンテーションまで英語で行うのであれば、730点だけでは十分とは限りません。実際に話す力・書く力も必要です。

そのため海外営業を目指す場合は、730点取得後もSpeaking・Writingを並行して伸ばすことをおすすめします。

貿易事務・海外事務

貿易事務や海外部門の事務では、英文メール、貿易書類、海外取引先からの連絡などに英語を使います。

TOEIC730点があれば一定の読解力・リスニング力を示しやすくなりますが、採用では事務経験、貿易知識、PCスキルなども重視されます。

未経験から目指す場合は、TOEIC730点だけでなく、貿易実務やExcelなどのスキルを組み合わせるとよいでしょう。

外資系企業

外資系企業でも730点は英語力を示す材料になります。もっとも、外資系だから必ず高いTOEICスコアが必要というわけではなく、英語使用頻度は会社・部署・職種によって大きく異なります。

海外本社との会議や英文レポートが多い職種では、スコアよりも実際に英語で仕事を進められるかが重要です。

730点を取得したら、TOEIC対策だけでなく、英語面接、英文メール、会議での発言など実務に近い練習へ移行していくとよいでしょう。

航空・ホテル・観光

航空、ホテル、観光業界では、外国人顧客への対応や海外との連絡で英語を使う機会があります。730点は履歴書上の英語力として十分アピールできます。

一方、接客ではその場で相手の英語を聞き取り、適切に返答する必要があります。TOEIC L&R730点と実際の接客英語力は分けて考える必要があります。

TOEIC730点でも不足しやすい仕事

730点は転職で評価されやすいスコアですが、英語を日常的に使用する仕事では、さらに高い英語力が必要になることがあります。

・英語で商談・交渉を行う海外営業

・海外本社との会議が多い外資系ポジション

・英語でプレゼンテーションを行う仕事

・海外赴任で現地スタッフを管理する仕事

・高度な英文契約書や専門文書を扱う仕事

特に注意したいのは、TOEIC L&RはSpeakingとWritingを直接測定しないことです。

730点を取得しても、英語で話す経験がほとんどなければ、会議や商談で言葉が出てこないことはあります。

英語を実務で頻繁に使う仕事を目指すなら、730点を一つの通過点と考え、Speaking・Writingのトレーニングも進めましょう。

730点を取ったら800点を目指すべき?


730点を取得した後、800点まで上げるべきかは、転職先や現在の会社で求められている条件によって変わります。

応募条件・昇格条件が730点なら、まず活用する

希望する求人や勤務先の昇格条件が730点であれば、730点に到達した時点でそのスコアを活用することを優先してよいでしょう。

800点になるまで転職や昇格への行動を止める必要はありません。まず条件を満たした段階で応募・申請し、その後も必要に応じて学習を続ける方が効率的です。

英語を強みにしたいなら800点以上も視野に入れる

一方、英語そのものを転職上の大きな強みにしたい場合は、800点以上を次の目標にする価値があります。

特に外資系企業、海外営業、グローバル部門などを幅広く狙いたい場合は、スコアをさらに伸ばしながら、Speaking・Writingも強化するとよいでしょう。

全日空商事の事例でも、総合職は730点、管理職では800点が取得目安とされています。730点と800点では、企業側の期待する水準が異なるケースがあることが分かります。

TOEIC730点を履歴書・職務経歴書でどうアピールする?

TOEIC730点を持っているのであれば、履歴書には積極的に記載してよいでしょう。

記載例:20XX年○月 TOEIC Listening & Reading Test 735点


さらに、実際に英語を使った経験がある場合は、職務経歴書で具体的に示すと効果的です。

・海外取引先との英文メール対応

・英文資料・仕様書の読解

・海外拠点とのオンライン会議への参加

・外国人顧客への対応

TOEICスコア単独ではなく、「実務経験+TOEIC730点」という形でアピールすると、採用担当者が入社後の活用イメージを持ちやすくなります。

TOEIC730点を目指す人が転職前に確認したいこと

転職目的で730点を目指している場合は、先に求人票を確認しておくことも重要です。

・TOEICスコアが必須条件か、歓迎条件か

・730点以上など具体的な基準があるか

・英語を実際にどの業務で使うのか

・Speaking・Writingが必要な仕事か

・英語以外に求められる経験・資格は何か

求人票に「TOEIC730点以上」と書かれているなら、730点を目指す意味は明確です。

一方、英語をほとんど使用しない仕事であれば、730点から800点へ上げるより、職種に必要な専門スキルを伸ばす方が転職に有効な場合もあります。

まとめ|TOEIC730点は企業の具体的な基準にも使われるスコア

TOEIC730点は、就職・転職で十分に評価材料になるスコアです。

特に重要なのは、730点がIIBCのProficiency ScaleでBレベルの入口にあたり、企業によっては海外赴任、管理職試験、昇進・昇格などの具体的な基準として使われている点です。

最近指導した国内保険大手の2名の方も、昇格に必要な730点を目指して学習し、お二人とも目標を達成されました。730点は、転職だけでなく現在の会社でキャリアアップするための現実的な目標になることがあります。

ポイントをまとめると、次のとおりです。

・730〜855点はIIBCのProficiency ScaleでBレベル

・700点との差は30点でも、企業の基準が730点なら意味は大きい

・メーカー・海外部門・海外営業・貿易事務などで評価材料になりやすい

・海外赴任や昇進・昇格の基準として730点を使う企業事例がある

・730点だけで実務英語力が保証されるわけではない

・条件が730点なら、到達後は転職・昇格でそのスコアを活用する

・英語を強みにしたい場合は800点以上やSpeaking・Writingも視野に入れる

TOEIC730点を目標にする際は、「高いスコアを取ること」だけを目的にせず、そのスコアを転職、昇格、海外部門への異動など、次のキャリアにつなげることを意識するとよいでしょう。

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参考情報

IIBC「Proficiency Scale(TOEIC L&Rスコアとコミュニケーション能力レベルとの相関表)」

IIBC「企業・団体の主なTOEIC Program活用目的」

IIBC「活用事例:全日空商事株式会社」

IIBC「活用事例:双日株式会社」

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