普通の主婦がTOEIC900点を目指して勉強するようになった経緯【主婦の生き方(どこで英語を学ぶか)】 その5

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TOEIC900点を目指すkijikoさんの前回からの続きです。

高校1年の夏休み、年子の弟と一緒に旅行会社の短期留学ツアーに参加しました。サンディエゴに3週間、ホストファミリー宅に滞在し、午前中は英語学校、午後と週末は観光という如何にも定番のスタイルでした。

しかし、これは自ら計画した訳でなく梅雨のある学校帰り、母に写真屋に連れて行かれ証明写真を撮られて、夏休みの初日、「アメリカへ行って来なさい。」とパスポートとスーツケースを渡されて行く事になったのでした。喜んだというよりは、「何で?」が先で、パスポートを開けるとやっぱり「何で?」の顔の私が写っていて、弟に「あんた、受験やけど行くん?」と聞くと、もっと戸惑いの表情で頷いていました。

私の母は餌をバラまいて食いつき加減を観て、誘導するのがうまい人で、またそれを自らの意思で選択しているように思わせる技を思っており、思えば、この時母が撒いた餌のお陰で、私の人生は大きく変わったような気がします。短期留学(短期遊学?)から戻って、すぐにアメリカへ行きたいから1年間交換留学させてと申し出たのですが、それは許してもらえず、じゃあ大学でアメリカに行かせて!と言う事になりました。

何かを学びたいからアメリカへではなく、とにかくアメリカへ行きたいそれだけでした。アメリカの大学に入るにはTOEFLの点数が要ると、高校3年で受けたTOEFLは420点(当時、米国の大学入学には500点という基準)でしたが、点数が足りないまま、米国に渡りました。

つまり、英語の基礎が出来る前にアメリカに渡ったので、結果的に長い時間をかけて英語を学ぶ事になりました。英語のルール(文法)を頭に入れてから現地入りするのと、曖昧なままなのでは、何が違ってくるかを身をもって体験(主に反省)したので、海外留学をお考えの方にお伝えしたいと思います。

アメリカの大学附属のESL(English as a Second Language)とは、通常まだ大学の入学に必要な英語力(当時はTOEFL500点)に達していない母国語を英語としない生徒が受けます。私が居たESLは日本人を含むアジア系1割、中南米4割、アラビア系が5割でした。

中南米の生徒は、授業中も休み時間もよく発言し英語ができるように見えました。ここに居る大半が来学期は、大学生なんだろうなぁと思っていたのですが、いつまで経っても同じクラスを取り続ける生徒が居て、大学へ進学する前にビザが切れて帰ってしまう人もいました。

アラビア系生徒は100%男子で、昨日まで機関銃を持って睨みあっていた同士の国出身ということもあったりで、休み時間の廊下はかなりアウトローな感じでした。そしてラマダンというイスラム教の儀式のひとつである断食の期間には、生徒が激減しました。日本人が少ない英語学校を選ぶとこんな異文化に接する事もあるわけです。

そのESLは、Vocabulary(語彙)、Grammar(文法)、Reading(リーディング)、Listening(リスニング)、Writing(英作文)、Conversation(英会話)のクラスに分かれていました。語彙のクラスで初めに習ったのは、prefix(接頭辞)でした。

例えば、amphi-から始まる単語とあり、amphibiousのページには、カエルのイラストで両生類を説明をし、amphitheaterのページでは、古代ローマの円形演技場を説明してありました。通常の劇場を背中合わせに2つくっ付けたようなイメージと先生は説明してくれました。へぇ~、amphi-から始まるのは、両-という意味なんだ・・・何だか漢字に通ずる気がして面白く単語を授業で覚えていった記憶があります。

その後、この2つの単語を大学や社会に出て使う機会もありませんでしたが、お陰でprefix(接頭辞)、surfix(接尾辞)の存在を強く意識しながら、単語を見るようになり、知らない単語も調べる前に想像する癖がつきました。これは渡米前は、知らない英単語とその日本語をそのまま覚えて→忘れて→また覚えての繰り返しで、中々英単語を覚えられなかった私にとっては革新的な進歩となりました。

文法のクラスでは、文法用語や説明は全て英語(当たり前ですが)、S=Subject、V=Verbと習います。関係代名詞(Relative pronoun)、か受動態(passive)、不定詞(infinitive)、過去分詞(past perticiple)、複文(complex sentence)などなど。細かい文法の説明はきっちり分からないまま何となく分かったような状態でクラスは進んで行きました。

反省点として、英文法の仕組みを習得するのに英語でも日本語でも何語でも良いので、理解する事を優先すべきかと思います。日本人の最大の武器は日本語なので、それを最大に利用しない手はありません。英語だけで説明を受け、曖昧に分かったつもりになった状態で大学の授業が進む事は、とても大変で後々の苦労は測り知れません。

講義の英語、友達との英語、店や日常の色々な場面での英語は聞いていれば、英語独特のリズムとか単語が繋がって聞こえる音に慣れてくるのは確かです。そこに英文法を基礎に持つ事で、納得しより理解が深まり、結果、慣れる期間の短縮が可能となります。

私の場合、大学に入ってからも苦労は続き、English Compositionのクラスに出す提出物は全て、大学生アルバイトのTutorに添削してもらってから出していました。こんな事なら日本語で書かれてある文法書を読んで正確に理解しておくんだったなぁと思いました。

私が渡米した25年前に比べて、今はネットも書籍も充実しています。またスカイプオンラインレッスンという手軽な英語学習ツールやインターネット上でアメリカの有名大学の無料講義(MOOC=Massive Open Online Course=ムーク)と呼ばれる物も生まれ、現地入りする前に疑似的に留学した状態も可能です。例えば、Udacity、Udemy、Duolingo、Coursera、Khan Academy、iTunes University、MIT Open Courseware、edXなどがあります。

今出来る事は今やってから、現地でしかできない事は留学してからするのが今流かなと思います。

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