TOEIC Part 2が聞き取れない原因と勉強法|苦手な人が改善すべき3つのこと
Part 2が苦手だからといって、単純に「耳が悪い」「もっと英語を聞けばよい」とは限りません。
TOEIC Part 2は、1つの質問や発言に対して3つの応答から最も適切なものを選ぶ問題です。英文自体はPart 3・4より短いものの、質問文を一度で聞き取り、その内容を保持したまま続く選択肢を判断しなければなりません。
Part 2が聞き取れない原因は人によって異なります。読んでも意味が分からない、読めば分かるのに音では分からない、質問文は聞こえるのに途中で内容を忘れる、といった違いがあります。
私自身もリスニング450点前後から495点へ伸ばす過程でPart 2の短文を使った練習を行いました。この記事では、学習・指導経験をもとに原因別の改善方法を紹介します。
Part 2が聞き取れない人は、まず「どこで分からなくなるか」を確認する
最初に確認したいのは、「Part 2が苦手」という結果ではなく、英文を処理するどの段階で止まっているかです。原因を分けると、練習方法も選びやすくなります。
| 状態 | 主な原因 | 優先する練習 |
| スクリプトを読んでも意味が分からない | 語彙・文法・表現の不足 | まず英文の意味を理解する |
| 読めば分かるが、音声では分からない | 音と文字が結びついていない | 聞き取れない箇所を特定して音声と意味を一致させる |
| 質問文は聞こえるが、すぐ忘れる | 英文を保持する力・処理速度 | 聞いた英文をリピートする練習 |
| 質問も選択肢も聞こえるが正解できない | 応答関係や解き方の問題 | Part 2特有の応答・消去法を確認する |
この記事では、特に最初の3つ、つまり「理解できない」「音で認識できない」「聞いた内容を保持できない」という問題を中心に扱います。

改善① スクリプトを読んで分からない英文をなくす
Part 2を何度聞いても理解できないとき、最初に確認してほしいのはスクリプトです。
音声を止めて英文を読んでも意味が分からないのであれば、現時点ではリスニング以前に語彙・文法・表現の理解が不足している可能性があります。
「聞き取れない=音の問題」と決めつけない
例えば、単語の意味を知らなかったり、疑問文の語順が理解できていなかったりすれば、音がはっきり聞こえても内容は理解できません。
まずは、スクリプトを見て意味を取れる状態にすることが必要です。
Part 2で確認したい主な項目
• 基本的な語彙・熟語
• 疑問詞疑問文の語順
• 助動詞を使った疑問文
• 否定疑問文・付加疑問文
• 依頼・提案・申し出などの定型表現
また、すべての単語を知っていても、英文全体の意味をすぐに組み立てられないことがあります。「単語を知っていること」と「聞いた瞬間に英文を理解できること」は同じではありません。Part 2では後者が必要です。
改善② スクリプトなら分かる英文を「音声でも分かる」状態にする
スクリプトを読めば簡単に意味が分かるのに、音声になると分からない。このタイプは、英語の文字と実際の音が十分に結びついていない可能性があります。
聞き取れなかった場所を特定する
間違えた問題を何となく何回も聞くのではなく、「どこから分からなくなったのか」を確認します。おすすめは次の流れです。
1. 問題を一度解く
2. もう一度音声を聞き、どこまで聞き取れるか確認する
3. スクリプトを見て、聞き取れなかった箇所と意味を確認する
4. その部分の音声をもう一度聞く
5. 英文を聞いた瞬間に意味が取れるか確認する
重要なのは、答えを覚えることではありません。復習後に同じ英文を聞いたとき、音声と意味が結びついているかを確認します。
ディクテーションは「聞けない場所の特定」に使う
Part 2は英文が短いため、ディクテーションを「聞き取れなかった場所を特定するための確認作業」として使いやすいパートです。
間違えた問題や、正解したものの質問文を十分に聞き取れなかった問題だけを対象にし、スクリプトと比べて「どの語が抜けたのか」「どこを別の音として聞いたのか」を確認します。
詳しいディクテーションの手順は一般的なリスニング記事でも扱っているため、ここでは繰り返しません。
Part 2では書き取ること自体を目的にせず、聞けなかった原因を特定したら、最後はスクリプトなしで音声を聞き、意味が取れる状態に戻すことを優先してください。
改善③ 聞いた英文を保持できるようにする
Part 2では、質問文を聞き取れていても、選択肢を聞いている途中で質問の内容を忘れてしまうことがあります。
この場合、単純な「聞き取り」だけでなく、聞いた英文を短時間保持しながら処理する力も必要です。
聞いたセンテンスをそのままリピートする
このタイプの学習者におすすめしたいのが、聞いたセンテンスをそのままリピートする練習です。これはシャドーイングとは別の練習です。
音声を追いかけながら発話するのではなく、英文を聞いたあとに、聞こえた内容をそのまま再現します。
| 最初から全文をリピートできなくても大丈夫です。まずは最初の5〜6語程度を、そのまま再現できることを目標にします。 |
例えば疑問文なら、まずは「疑問詞 → 助動詞 → 主語 → 動詞」くらいまでを一まとまりとして保持します。余裕が出てきたら、目的語など、その後ろの語句まで少しずつ伸ばしていきます。
例:Where did you put the documents?
最初の目標:Where did you put …
慣れてきたら:Where did you put the documents?
目的は、きれいな発音で英文を再現することではありません。聞こえてきた英語を一定の長さのまま頭の中に残し、その内容を処理できるようにすることです。
私自身も450点前後から495点へ伸ばすときに行った
私自身、TOEICのリスニングが450点前後だったころから495点を取れるレベルまで伸ばしていく過程で、このリピート練習を行いました。
特に意識していたのは、音声をただ繰り返し聞くのではなく、「今聞いた英文を、自分でそのまま言えるか」を確認することです。最初は短い範囲でも、繰り返していくうちに保持できる英文の長さが少しずつ伸びていきました。
Part 2で質問文を聞き終えたあと、その英文をある程度そのまま再現できるのであれば、質問内容も頭に残りやすくなります。全文を一度に覚えようとせず、まず5〜6語、次に目的語まで、さらに余裕があればセンテンス全体へ、と段階的に伸ばすのがおすすめです。

「聞いてから日本語に訳す」時間を少しずつ減らす
Part 2では、英文を聞いたあとに一語ずつ日本語へ置き換えていると、その間に選択肢が始まってしまいます。
もちろん、学習の初期段階では日本語で意味を確認すること自体に問題はありません。復習を重ねながら、よく出る語順や表現をまとまりで理解できるようにしていくことが重要です。
単語ではなく、意味のまとまりで捉える
• Where should I ~?
• When will ~?
• Why don’t we ~?
• Could you ~?
• Would you like ~?
こうした表現を単語ごとに分解するのではなく、一つのまとまりとして意味を取れるようになると、質問文の処理が速くなります。
Part 2では文頭の疑問詞や助動詞は重要ですが、「文頭だけ聞けば解ける」と考えるのはおすすめしません。質問の後半に重要な情報が入ることもあります。まず文頭で文の方向性をつかみ、そのまま文全体の意味を取ることを目指しましょう。
質問文を覚えておけない人は「意味」を残す
質問文を一語一句、頭の中に保存しようとすると負担が大きくなります。本番では、英文そのものを完全に暗記する必要はありません。何について聞かれているのかを、短い意味として残せれば十分な場合が多いです。
• 「会議はいつ?」
• 「コピー機はどこ?」
• 「誰が担当?」
• 「この書類を送ってくれる?」
このように質問の中心となる意味を保持したまま(A)〜(C)を聞く意識を持つと、選択肢を聞いている途中で質問を見失いにくくなります。前述した5〜6語からのリピート練習も、この力を伸ばすために役立ちます。
シャドーイングはPart 2対策に必須ではない
Part 2対策としてシャドーイングを紹介する教材や学習法もあります。シャドーイングが自分に合っている人であれば、もちろん取り入れて構いません。
一方で、Part 2を伸ばすために全員が必ずシャドーイングをしなければならないわけではありません。
私自身はTOEIC対策でシャドーイングをほとんど行っていません。指導では音読・オーバーラッピング・シャドーイングを勧めることもありますが、それらが合わない学習者には、スクリプトで意味を確認したうえで音声をしっかり聞き、音と意味を一致させる練習を行ってもらうこともあります。
今回紹介した「聞いたあとに英文をそのままリピートする練習」も、シャドーイングとは目的とやり方が異なります。
練習方法そのものにこだわるのではなく、最終的に「聞いた英文を理解できるか」「質問内容を保持できるか」を基準に考えるとよいでしょう。
Part 2の復習はどこまでやればいい?
復習の回数を「必ず10回」「必ず20回」と固定する必要はありません。英文によって難しさは違いますし、学習者によって苦手な音や表現も異なります。
一つの目安は、次の3点です。
✓ スクリプトなしでも英文をある程度正確に聞き取れる
✓ 英文を聞いたときに、意味がほぼ瞬時に分かる
✓ なぜその応答が適切なのかを理解できる
特に600点前後を目指している段階では、すべての問題を完璧に仕上げようとすると復習量が多くなりすぎることがあります。まずは間違えた問題や、正解したものの自信がなかった問題を優先して復習する方法でも十分です。
600点前後の人におすすめのPart 2復習手順
何をすればよいか迷う場合は、まず画像の4ステップを基本にしてください。必要に応じてディクテーションやリピート練習まで加えると、実際の復習手順は次の6段階になります。

| 1 | 間違えた問題の質問文をもう一度聞く |
| 2 | スクリプトを読んで意味が分かるか確認する |
| 3 | 聞き取れなかった部分を特定する |
| 4 | 必要に応じてディクテーションをする |
| 5 | 音声を聞いて、意味を瞬時に取れるところまで復習する |
| 6 | 質問文を5〜6語からリピートし、徐々に保持できる長さを伸ばす |
この流れであれば、「問題を解く→答え合わせをする」で終わらず、なぜ聞き取れなかったのかまで確認できます。Part 2は短文なので、1問ずつ原因を分析しやすいのも利点です。
聞き取れているのに正解できない場合は「解き方」を見直す
質問文も選択肢もある程度聞き取れているのに正解率が上がらない場合は、リスニング力だけが原因とは限りません。Part 2特有の間接的な応答や、不正解選択肢の判断に慣れていない可能性があります。
この段階では、聞き取り練習を増やすだけでなく、Part 2の応答パターンや消去法を確認するのがおすすめです。消去法については別の記事で詳しく扱っているため、この記事では重複を避け、聞き取りと復習方法に焦点を絞っています。
まとめ|Part 2は「聞き取れない原因」を分けて練習する
TOEIC Part 2が苦手なときは、単純に問題数を増やしたり、音声を何度も流したりする前に、どこで理解が止まっているのかを確認してみてください。
| 読んでも分からない | 語彙・文法・表現を確認する |
| 読めば分かるが聞けない | 聞き取れない箇所を特定し、音声と意味を一致させる |
| 聞けるが保持できない | 5〜6語からリピートし、保持できる英文を少しずつ長くする |
私自身も、リスニング450点前後から495点へ伸ばす過程で、短い英文を聞いたあとにそのまま再現する練習を取り入れました。
最初から全文を再現する必要はありません。5〜6語程度から始め、聞いて保持できる英語を少しずつ増やしていく方法でも十分に練習になります。
Part 2の勉強で大切なのは、「何問解いたか」「何回シャドーイングしたか」といった練習量だけを見るのではなく、以前は聞き取れなかった英文を聞いて理解できるようになったかどうかです。
原因に合った復習を積み重ねて、少しずつ聞いて理解できる英文を増やしていきましょう。
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