TOEIC Part 7の「塗り絵」を減らす方法最後まで解けない原因と速読トレーニング
TOEICのReadingでよくある悩みの一つが、Part 7を最後まで解き切れず、最後の15~25問を「塗り絵」にしてしまうことです。
この記事では、なぜ時間切れになるのかを、公式問題集の実測語数とWPM(1分間に読める語数)から考えます。
そして、いきなり全問完答を目指すのではなく、まず塗り絵を5問減らすための具体的な練習法を紹介します。
TOEIC Part 7は54問。55分あっても余裕はない
TOEIC Readingは75分・100問です。Part 5は30問、Part 6は16問、Part 7は54問あります。
この記事では、Part 5を10分、Part 6を10分で終え、Part 7に55分を残す時間配分を前提とします。
- Part 5:10分
- Part 6:10分
- Part 7:55分
Part 7は54問なので、55分を単純に54問で割ると1問あたり約61秒です。
しかも、Eメール、記事、広告、チャット、表、スケジュール、複数文書などを読み、設問と4つの選択肢まで処理しなければなりません。55分残せても、決して余裕があるわけではありません。

公式問題集12を実測すると、Part 7は約4,700語
そこで、『公式TOEIC Listening & Reading 問題集12』のTEST 1とTEST 2について、Part 7の英文量を実際にカウントしました。
Directionsや「Questions ○○–○○ refer to …」などの案内文は除外し、問題を解くために読む本文・設問・選択肢を対象にしています。
| 公式問題集12 Part 7 | TEST 1 | TEST 2 | 2セット平均 |
| 本文 | 3,187語 | 2,995語 | 3,091語 |
| 設問+選択肢 | 1,578語 | 1,643語 | 約1,611語 |
| 総英文量 | 4,765語 | 4,638語 | 約4,702語 |
2セットを平均すると、Part 7の本文だけで約3,100語、設問と選択肢まで含めると約4,700語になります。
つまりPart 7の55分では、約3,100語の本文を読みながら、さらに約1,600語分の設問・選択肢を処理し、54問の正解を判断する必要があります。
「Part 7で時間が足りない」のは、単に解き方が悪いからとは限りません。そもそも短時間で処理しなければならない英文量が非常に多いのです。
いきなり塗り絵ゼロを目指さない
現在15~25問程度が塗り絵になっている人にとって、いきなり54問すべてを時間内に解き切るのは高い目標です。まずは「あと5問、自分の力で解く」ことを目標にした方が現実的です。
| 塗り絵の数 | 時間内に解答できた問題数 |
| 25問 | 29問 |
| 20問 | 34問 |
| 15問 | 39問 |
| 10問 | 44問 |
| 5問 | 49問 |
| 0問 | 54問 |
25問塗り絵なら、まず20問へ。20問なら15問へ。15問なら10問へ。このように5問ずつ減らしていく方が、学習の成果を確認しやすくなります。
塗り絵が増える原因の一つがWPM
WPMは words per minute の略で、1分間に何語読めるかを表す指標です。TOEIC公式の学習情報でも、WPMはPart 7の読解速度を確認する指標として紹介されています。
この記事ではWPMそのものをゴールにするのではなく、塗り絵を減らすための改善指標として使います。
公式問題集12の実測では、Part 7本文の平均は3,091語でした。この約3,100語を読む時間をWPM別に単純計算すると、次のようになります。
| 読解速度 | 約3,100語を読む時間 |
| 100 WPM | 約30.9分 |
| 110 WPM | 約28.1分 |
| 120 WPM | 約25.8分 |
| 130 WPM | 約23.8分 |
| 140 WPM | 約22.1分 |
| 150 WPM | 約20.6分 |
100 WPMから120 WPMに上がるだけでも、本文を一通り読む時間は計算上約5.1分短くなります。100 WPMから150 WPMなら約10.3分の差です。
もちろん、実際のTOEICでは本文を一度だけ最初から最後まで読むわけではありません。設問を先に読む人もいれば、本文に戻って根拠を確認することもあります。
そのため、この計算時間がそのまま本番の所要時間になるわけではありません。ただし、読む速度が上がれば、設問を考えたり本文を確認したりするための時間を作りやすくなることは分かります。

まず自分のWPMを200語前後の英文で測ってみよう
WPMを測るときは、公式問題集のPart 7から200語前後の英文を選ぶと実践しやすいでしょう。普段通りに内容を理解しながら読み、読み終わるまでの時間を測ります。
WPM = 語数 ÷ 読むのにかかった時間(分)
| 200語を読む時間 | WPM |
| 2分00秒 | 100 WPM |
| 1分49秒 | 約110 WPM |
| 1分40秒 | 120 WPM |
| 1分32秒 | 約130 WPM |
| 1分26秒 | 約140 WPM |
| 1分20秒 | 150 WPM |
例えば200語を2分で読めば100 WPM、1分40秒なら120 WPM、1分20秒なら150 WPMです。
大切なのは、意味を理解せずに目だけ速く動かさないことです。内容理解を保ったまま、少しずつ処理速度を上げていきます。
塗り絵を減らすためのトレーニング

1.返り読みを減らす
英文を最後まで読んでから日本語の語順に戻って理解する「返り読み」は、長文になるほど時間がかかります。英語を英語の語順のまま、前から意味を取る習慣をつけましょう。
2.スラッシュリーディングで意味のかたまりをつかむ
英文を意味のまとまりごとに区切り、その順番のまま理解する練習です。きれいな日本語訳を作る必要はありません。英文を見た順番に意味が頭に入る状態を目指します。
例:The company will open / a new branch / in Osaka / next year.
「その会社は開く予定です/新しい支店を/大阪に/来年」のように、前から意味を取っていきます。
3.同じPart 7本文を繰り返し読む
毎回新しい英文を使う必要はありません。一度解いた問題を復習し、語彙・文構造・内容を確認した後、もう一度時間を測って読みます。
すでに内容を理解している英文なら、速く処理すること自体に集中できます。
例えば最初に200語を2分(100 WPM)で読んだなら、次は1分49秒(約110 WPM)、その次は1分40秒(120 WPM)というように、正確さを保ちながら少しずつ時間を縮めます。
4.音声を使って一定速度で読む
音声に合わせて英文を目で追う練習も有効です。黙読だけでは、難しいところで無意識に止まったり、前の文に戻ったりしがちです。
音声を利用すると、前から一定速度で処理する感覚を身につけやすくなります。
5.毎回54問を通しで解かない
本番形式の55分演習だけを繰り返すより、普段は短い単位で速度を上げる練習も入れましょう。
シングルパッセージを2~3セット、またはダブル・トリプルパッセージを1セットなど、小さな単位で時間を測り、正答率を落とさず前回より短い時間で解くことを目指します。
6.難しい1問に時間を使いすぎない
塗り絵の原因は読解速度だけではありません。1問に2分、3分と使ってしまうと、その後にある比較的解きやすい問題に到達できなくなります。
15~25問程度の塗り絵がある段階では、「全問正解する」よりも「解ける問題まで到達する」ことを優先しましょう。
まず100 WPMから120 WPMを目標にする
150 WPMは一つの目安になりますが、現在15~25問程度の塗り絵がある人が、最初から150 WPMだけを目標にする必要はありません。
- 現在100 WPM前後なら、まず110 WPMを目指す
- 次に120 WPMを目指す
- 塗り絵が減ってきたら130~150 WPMへ進む
今回の実測ではPart 7本文は平均約3,100語でした。100 WPMから120 WPMに上がると、本文を読む時間は単純計算で約5分短くなります。
この5分がそのまま5問分になるわけではありませんが、「あと5問に取り組める時間を作る」という目標にはつながります。
まとめ:塗り絵は5問ずつ減らしていこう
TOEIC Part 7で時間が足りない人は、いきなり54問すべてを解き切ろうとする必要はありません。
まずは25問塗り絵なら20問へ、20問なら15問へ、15問なら10問へと、5問ずつ減らしていきましょう。
- Part 5を10分、Part 6を10分で終え、Part 7に55分残す
- 200語前後のPart 7本文で現在のWPMを測る
- 返り読みを減らし、英文を前から理解する
- スラッシュリーディングを取り入れる
- 同じ英文を繰り返し読み、処理速度を上げる
- 音声を使って一定速度で読む
- 難しい1問に時間を使いすぎない
公式問題集12のTEST 1・TEST 2を実測すると、Part 7本文は平均約3,100語、設問・選択肢まで含めると平均約4,700語ありました。この文章量を55分で処理するには、正確さだけでなく速度も必要です。
まずは「150 WPMを達成する」ことより、「今より少し速く読んで、塗り絵を5問減らす」ことを目標にしましょう。
100 WPMが120 WPMになるだけでも、Part 7全体では数分単位の差になります。
その数分を積み重ねることで、自分の力で解ける問題を少しずつ増やしていくことができます。
参考
・一般財団法人 国際ビジネスコミュニケーション協会(IIBC) TOEIC公式サイト
TOEIC Listening & Reading Testの学習法・Part 7速読トレーニング関連ページ
https://www.iibc-global.org/toeic/support/prep/method.html
https://www.iibc-global.org/toeic/support/prep/lr_tr_01.html
https://www.iibc-global.org/toeic/support/prep/lr_part_07.html
・『公式TOEIC Listening & Reading 問題集12』TEST 1・TEST 2(Part 7語数は本記事で独自集計)

