TOEIC900点は転職でどれくらい有利?高得点でも注意したいポイント

TOEIC900点を取得すると、転職ではどのくらい有利になるのでしょうか。

これまでのスコア別記事では、800点を「英語力を自分の強みとして示しやすい水準」と整理しました。

900点はさらに高く、IIBCのProficiency Scaleでは860点以上のAレベルに位置する非常に高いスコアです。一方で、800点から900点へ100点上がったからといって、転職市場での評価も同じ割合で上がるわけではありません。

900点まで到達すると、採用側が知りたいのは「さらに何点取れるか」よりも、「その英語力を仕事で何に使えるのか」です。

この記事では、TOEIC900点が転職でどの程度評価されるのか、800点との違い、900点でも評価が伸びにくくなる理由、英語を活かしやすい仕事、900点取得後に990点を目指すべきかまで解説します。

TOEIC900点は転職で有利になる?

結論からいうと、TOEIC900点は転職で非常に強いアピール材料になります。高いListening・Reading力を客観的な数字で示せるため、外資系企業、海外営業、メーカーの海外部門、グローバルプロジェクトなどでは英語力を伝えやすくなります。

IIBCの企業向け資料では、海外部門の社員に期待するTOEIC L&Rスコアとして605〜805点が示されています。900点はこの水準を上回るため、少なくともL&Rのスコア面では高い水準にあることを示せます。

一方、900点を持っているだけで採用が決まるわけではありません。求人が求める英語条件をすでに大きく上回っている場合、次に重視されるのは職種経験、専門性、実績、Speaking・Writingなどです。

900点は「英語力があるかどうか」を示す段階を越え、英語力をどのように実務へ結び付けるかが問われるスコアです。

TOEIC900点はどのくらいのレベル?


IIBCのProficiency Scaleでは、TOEIC L&R860点以上がAレベルです。900点はこのAレベルに位置します。


Aレベルは「Non-Nativeとして十分なコミュニケーションができる」とされ、自己の経験の範囲では専門外の話題にも対応でき、語彙・文法・構文を正確に把握して使えることなどがガイドラインとして示されています。


IIBCのCan Do情報では、900〜990点のスコアレンジについて、英語のテレビニュースを聞いて内容を理解することや、自分の専門分野の高度な専門書を読んで理解することなどがCan Do項目として紹介されています。

ただし、TOEIC L&RはListeningとReadingのテストです。900点を取得しても、Speaking・Writingの能力まで自動的に証明されるわけではありません。

スコアIIBCレベル転職での位置づけの目安
730〜855点Bレベル企業の基準に届くケースがあり、海外関連業務も視野に入りやすい
800点前後Bレベル英語力を強みとして使いやすい
860点以上Aレベル高い英語力を客観的に示しやすい
900点Aレベル非常に高いL&R力を示し、実務・専門性で差をつける段階
990点AレベルTOEIC L&R満点

TOEIC800点と900点では転職で何が違う?

800点と900点では、どちらも転職で十分にアピールできる高いスコアですが、評価のされ方には違いがあります。

比較800点900点
IIBCレベルBレベルAレベル
転職での位置づけ英語力を強みにしやすい非常に高い英語力を示せる
求人条件多くの英語求人を視野に入れやすいスコア条件では差がつきにくくなる
次に重要なもの実務経験・Speaking・Writing専門性・実務英語・仕事での成果
次の学習860点・900点も選択肢990点より実務英語を優先する場合が多い

800点から900点までの100点は英語力として意味があります。しかし、転職での評価が100点分そのまま大きくなるとは限りません。

たとえば求人条件が「TOEIC800点以上」であれば、800点でも900点でも条件は満たします。その場合、900点の候補者が800点の候補者より必ず高く評価されるわけではなく、実務経験や職種への適性によって結果は変わります。

900点では「英語が得意です」と言うだけでなく、その英語力を使ってどのような仕事をしてきたのかまで説明することが重要です。

TOEIC900点でも評価が伸びにくくなる理由


900点は非常に高いスコアですが、そこから転職市場での評価が伸びにくくなる場面があります。これは900点の価値が低いという意味ではなく、英語以外の評価要素の比重が高くなるためです。

求人のスコア条件をすでに十分満たしている

応募先が「TOEIC700点以上」「800点以上」などを条件としている場合、900点はその条件を十分に満たしています。

しかし、応募資格を満たした後の選考では、業界経験、営業実績、マネジメント経験、技術力などの方が採用結果に大きく影響することがあります。

900点からさらにスコアを上げるより、応募職種に必要な経験や専門知識を強化した方が転職に直結するケースも多いです。

TOEIC L&RだけではSpeaking・Writingを直接示せない

TOEIC L&R900点でも、英語会議で即座に発言する力や、英文メール・レポートを書く力は別です。

外資系企業や海外営業では、面接の一部が英語で行われたり、実務で会議・交渉・プレゼンテーションが必要になったりすることがあります。

その場で十分に話せないと、高いL&Rスコアとのギャップが目立つ可能性があります。900点取得後はSpeaking・Writingを実務レベルへ引き上げることが重要です。

スコアより「英語を使って何をしたか」が重要になる

900点まで到達すると、単に「英語ができます」という説明だけでは差別化しにくくなります。

職務経歴書や面接では、次のような具体的な実績の方が強い材料になります。

・海外顧客との交渉を担当した

・海外拠点との会議を英語で進行した

・英文提案書・報告書を作成した

・外国人メンバーを含むプロジェクトを管理した

・英語で技術説明やプレゼンテーションを行った

900点は高い英語力の証明として使い、その上に実務実績を積み重ねることが重要です。

TOEIC900点で英語を活かしやすい仕事

900点は幅広い英語使用職でアピールできます。ただし、900点で初めて応募できる仕事が明確に存在するというより、高い英語力を前提とする仕事でスコア面の不安が小さくなると考える方が適切です。

海外営業・グローバル営業

海外営業では、英文メールや資料読解に加えて、商談、交渉、プレゼンテーションなどのアウトプットが重要です。

900点ならListening・Readingの高さは十分に示せるため、次に問われるのは顧客との関係構築、交渉力、商品知識、営業実績などです。

英語力と営業経験の両方を持つ人材としてアピールできれば、900点の価値を活かしやすくなります。

外資系企業

外資系企業では、海外本社との会議、英文レポート、グローバルプロジェクトなどで英語を使う職種があります。

900点は英語力を強く示せますが、外資系企業でも英語使用頻度は職種によって異なります。

英語を日常的に使うポジションでは、スコアに加えて英語面接への対応力や、会議で意見を述べる力が必要です。

商社・メーカーの海外部門

商社やメーカーでは、海外取引先、海外子会社、海外工場などとのやり取りで英語を使います。

900点に加えて、営業、調達、生産管理、品質管理、技術などの専門経験があると強い組み合わせになります。

特に海外赴任やグローバルプロジェクトを希望する場合、英語力だけでなく現場で成果を出せる専門性が重要です。

IT・コンサル・グローバルプロジェクト

ITやコンサルティングでも、海外クライアントやグローバルチームと仕事をするポジションでは英語が必要です。

・英語の技術ドキュメントを読む

・海外メンバーとのオンライン会議

・外国人クライアントへの提案

・英語でのレポート・プレゼンテーション


この分野では、900点以上にスコアを伸ばすことより、技術力、業界知識、課題解決力などとの組み合わせが重要になります。

翻訳・通訳関連

900点を取得すると、翻訳・通訳の仕事にも関心を持つ方がいるかもしれません。

しかし、TOEIC900点を取得しただけで翻訳者・通訳者として働けるわけではありません。

翻訳には日本語表現力、専門分野の知識、原文の意図を正確に再現する技術が必要です。通訳には瞬時に内容を理解し、別の言語で正確に伝える高度な訓練が必要です。

900点は高い基礎英語力を示せますが、翻訳・通訳にはTOEICとは別の専門技能が求められます。

TOEIC900点は企業でどのように評価されている?

900点を採用や昇進の必須条件としている企業事例は、IIBCの公式事例では800点以下の基準ほど多く確認できません。

一方、高い成果として900点を評価する企業事例はあります。

IIBCが掲載する麻生セメントの事例では、2017年11月の取材時点でTOEIC L&Rの報奨金制度を設け、900点を超えた社員に最高額の10万円を授与していました。

同社では660点をマネージャークラス、750点以上を海外研修への参加レベルの目標としており、900点は業務上の最低条件というより、非常に高い学習成果として評価されていたことが分かります。

また、IIBCの受験者インタビューには、外資系企業への転職経験者が前職の上司から「英語の使い手を自負するなら900点以上はあった方がよいのでは」と助言された事例も紹介されています。これは企業の正式な基準ではありませんが、900点が高い英語力の象徴として受け止められる一例です。

TOEIC900点でも転職で不十分なケース

900点でも、英語使用の難易度が高い仕事ではスコアだけでは不十分です。

・英語で高度な商談・交渉を主導する

・海外法人や外国人チームをマネジメントする

・経営層向けのプレゼンテーションを英語で行う

・法律・金融・技術など高度な専門文書を英語で扱う

・翻訳・通訳を専門職として行う


これらの仕事では、900点以上のListening・Reading力があっても、専門知識やアウトプット力が不足していれば十分に対応できません。

高スコアを取った後ほど、「英語を学ぶ」段階から「英語で仕事をする」段階へ移る必要があります。

TOEIC900点を取ったら990点を目指すべき?

転職だけが目的なら、900点から990点を目指す優先順位は高くありません。

900点の時点ですでにAレベルに位置し、多くの英語求人で求められるスコア条件を満たす可能性が高いためです。

残り90点を上げるには相応の学習時間が必要ですが、その時間をSpeaking・Writing、英語面接、専門知識、実務経験へ振り分けた方が転職に直結する場合があります。

もちろん、990点自体を目標にしている場合や、TOEIC指導・英語教育などスコアそのものが実績になる仕事では、満点を目指す意味があります。

目的が転職であれば、「990点を取ること」ではなく、「900点をどう仕事に活かすか」を優先するのが合理的です。

TOEIC900点を履歴書・職務経歴書でどうアピールする?

TOEIC900点を取得しているなら、履歴書には積極的に記載してよいでしょう。

記載例:20XX年○月 TOEIC Listening & Reading Test 905点

900点という数字だけでも高い英語力は伝わりますが、職務経歴書では英語を使った実績を具体的に示すとさらに効果的です。

・海外顧客との商談・交渉を担当

・海外拠点との会議を英語で実施

・英文契約書・技術資料を業務で使用

・英語でプレゼンテーションを実施

・グローバルプロジェクトに参加


採用担当者に伝えたいのは、「900点を持っている」だけではなく、「その英語力を使って何ができるか」です。

転職目的なら900点取得後に優先したいこと


900点に到達したら、転職目的ではスコアアップより優先したいことがあります。

転職活動を始める

希望する求人の英語条件を満たしているなら、990点になるまで応募を待つ必要はありません。

900点を履歴書・職務経歴書に記載し、希望する企業への応募を始めましょう。

Speaking・Writingを強化する

900点取得後は、TOEIC L&R以外の能力を伸ばす効果が大きくなります。

英語面接、オンライン会議、英文メール、プレゼンテーションなど、希望職種で実際に使う英語を練習してください。

専門性・実務実績を整理する

転職では、英語力だけでなく「何の仕事ができる人なのか」が重要です。

営業実績、技術力、マネジメント経験、資格、業界知識などを整理し、900点の英語力とどのように組み合わせられるかを明確にします。

英語面接の練習をする

900点を持っていると、採用側から高い英語力を期待されることがあります。

英語面接がある求人では、自己紹介、職務経験、転職理由、志望動機などを英語で自然に説明できるよう準備しておきましょう。

まとめ|TOEIC900点は高い英語力の証明。次は実務で差をつける

TOEIC900点は、転職市場で非常に高い英語力を示せるスコアです。IIBCのProficiency Scaleでは860点以上のAレベルに位置し、海外部門に期待されるスコア帯も上回ります。

一方、900点まで到達すると、転職で次に問われるのは「さらに何点取れるか」ではありません。

重要なのは、その英語力を仕事でどのように使えるかです。

・900点はIIBCのAレベルに位置する非常に高いスコア

・800点から900点へ上げても転職評価が同じ割合で上がるとは限らない

・900点ではSpeaking・Writing、専門性、実務経験の比重が大きくなる

・海外営業、外資系、商社・メーカー海外部門、ITなどで英語力を活かしやすい

・翻訳・通訳にはTOEICとは別の専門技能が必要

・企業では900点を高い成果として評価する事例もある

・転職目的なら900点から990点より実務英語・専門スキルを優先する場合が多い

600点、700点、730点、800点とスコアを伸ばしてきた先で、900点は一つの大きな到達点です。

900点を取得したら、次の90点だけを見るのではなく、その高い英語力を使ってどの仕事に挑戦するのかを考える段階へ進みましょう。

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参考情報

IIBC「Proficiency Scale」

IIBC「TOEIC L&R ○○○点でできることって?」

IIBC「企業・団体の主なTOEIC Program活用目的」

IIBC「活用事例:麻生セメント株式会社」

IIBC「英語をキャリアに生かすならTOEIC Tests」

IIBC「浦崎 学さん|IIBC AWARD OF EXCELLENCE受賞者インタビュー」

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